Main Story (4)

視点:会話のみのため特になし

状況説明:チアキがアスカに対して「アスカは真実が好きなくせして、その存在は全部設定という名前の偽りじゃないか」という台詞を言って別れた後、チアキとハイネの会話。





「うーん、多分だけどアスカも違うんじゃないかなぁ」

「どういう意味だよ」

「確かに俺らはチアキの深層心理やら何やらを核にしている。今まさにちーちゃんが抱いてる両極端な思い。でも、それと性格は違うっぽいんだよ。覚えてる? 昔、俺ってもっと爽やかでアウトドアな好青年だったこと」

「ああ。なんでこんな変態に目覚めたのか不思議だった」

「酷い言いようだなぁ。まぁ、俺もね、最初にこの世界に現れた時、どうやら自分は『チアキが好き』で〈エマヌエルの天使と悪魔〉であるってことを自覚してたんだ。アスカも同様だろうけど。で、実際にちーちゃんと一緒に生活しながら、実はこういう性格も設定とかいうやつで、全部偽物だと思ったら、ちょっとムカついてさ。それで、少し自分らしくないことをやってみたんだけど、そしたらこういう性格になった」

「……ハイネは嘘が好きだろ。偽りの自分とか演じてる自分とか好きじゃないのか?」

「好きっていうのは微妙に語弊があるんだけどね。説明すると長くなるから話さないけど、性格は自分の好きなようにやりたいなって思ったわけ。っていうか、俺、アスカほど極端じゃないつもりなんだけど。そもそも、一々そんな偽りの自分に自己陶酔して恍惚としてたら、俺はどんだけナルシストな奴なやつなんだよ」

「……まあ、確かに」

「その辺から考えてもアスカもね、素の性格から変わってるはずなんだ。どこでどう影響受けたのかは知らないけど」

「でも、アスカはつい最近現れただろ。変化する余地はないんじゃ――」

「でも、俺と同じようにアスカも最初からいたはずなんだよ。現れてないだけで。それは、俺が保証する。その間、彼女がどこで何を見てどういう風に変わったのかはわからないし、アスカ自身も覚えてないみたいだけど」

「……それは」

「ここからは俺の推測だけど、俺らはちーちゃんが好意的に思うような初期性格があった。でも、性格は後天的に変わる余地が残されていた。性格はともかく『チアキを好き』っていう部分は変えられないと思ってたんだけど、アスカを見ているとそれも違うのかも、とか思い始めてる。まぁ、これはまだ疑問が残ってるっていうか、別の可能性も思い浮かぶんだけどね」

「……なんで、ハイネはアスカをかばうようなこと言うんだ?」

「俺はアスカをかばうつもりないけど。むしろ、これは俺のためだけど。だって、アスカの性格が本物で、俺の性格も本物なら、ちーちゃんこの世界に未練を抱いてくれるだろう? そしたら好都合。ま、このまま逃げ続けてくれるのも好都合だけどね」

「……わかっちゃいたが、ハイネって相当、性格悪いよな」

「それは〈チアキ〉に文句を言ってくれよ」

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