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神社が側にあると分かっていながら、

それを無視して川に散歩に行くのは気が引ける。



左手に伸びる道を上って神社を目指した。



草の背が高くなり、青臭さがぷんと鼻をかすめる。


しばらく進むと、空間が開けてどっしりとした石の鳥居が姿を現した。


奥には木製の拝殿がしとやかに佇んでいる。



ここだけ時が止まっているようだ。



大人になって来てみれば、荘厳なオーラに気圧されてしまう。



こんなところでよく無邪気に遊べたものだ。



さて、お参りするか、と一歩踏み出そうとして足を止めた。



今日はスマホだけしか持ってきていない。



財布がなく、お賽銭を払うことが出来ないのだ。


しかも、ふらっと散歩に行く気分でいたから、よれよれの普段着と使い古したスニーカーで来てしまった。


このままずかずかと境内に入って行っていいものか…。



だからといって、今から家に戻ってお財布を持ってくるのは正直面倒である。



日を改めるか、このままお参りするか。


顎に手を当てて、拝殿を眺めた。



Aお参りしない→24

Bお参りする→8

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