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この輝く日を浴びた木々の葉はきっと生き生きと輝いていることだろう。
海は雨が降ってもまだ行けるが、山には天気のいい日にしか行けない。
そんな山奥まで行くわけではない。
山の麓あたりと入口をぐるっと回るぐらいだ。
山に行くことを決めて、スマホを持ち、坂道を上った。
住宅街を抜け、田んぼのあぜ道を少し歩けば、林が現れる。
人工的に植えられた杉は、程よく間隔をあけて並立し、道の両脇を固めていた。
草が抜かれ、整備された道をザクザクと土踏みながら歩く。
木漏れ日が降り注ぐ中、胸いっぱいに空気を吸う。
木の香りが体内を巡り、心も体も洗われていく気がする。
どこからか、チチチと小鳥の愛らしい鳴き声が聞こえ、思わず顔が綻んだ。
風が吹き、
さああと木の葉が揺れる音が
頭上から降り注ぐ中、
履きなれたスニーカーで歩いて、
ゆったりとした時間を楽しむ。
子供の頃は、夏休みにここに来ては虫取りをしたり、大きな川で水遊びをしたりした。
山の中にある
いい隠れ場所を知っていたせいで絶対に見つかることがなかった。
神主にめちゃくちゃ怒られたのも、
今ではいい思い出だ。
歩けば歩くほど懐かしい思い出の数々がよみがえる。
ふと、どこからか歌が聞こえてきた。
「へーらーせ、へーらーせ。
のこりしもーのがまことなり。」
どこか聞き覚えのある童歌だ。
(なんだったっけ…。子供の頃よく聞いたような…。)
その歌のことを必死に思い出そうとしているうちに、分かれ道にたどり着いた。
左右に湾曲しながら道が延びている。
今は昼の11時。
まだ時間に余裕があるので、もう少し先まで行ってもよさそうだ。
左の道を上って行った先には白蛇神社へ、
右の道を下っていけば川にたどり着く。
さて、どちらにしようか。
A白蛇神社へ行く→3
B川へ行く→20
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