第41話 5/1-B おいしいものは脳内物質を

 肉ーっ♬

 このご時世なので通販でいい肉を買おう! ということで、お取り寄せ。この辺りは農家って言ったって畜産系じゃないから肉はちゃんと買い出しの時に仕入れるんだぜ!

 しかもそもそも農業してないこいつにはさほど関係ないからなあ。ということで、何か「経済を回そうぜ」とばかりに良いお肉を通販したらしい。

 うわぉ。


「だけど内緒だぜ」


 まあなー。他にも何ですか今回は。お取り寄せのホタテとか海の幸もあるじゃないかいな。どうしちゃったんだお前。


「たまには食べたい。悪いとは思うけど、……皆さんの分までは……」


 まあなー…… うちがこいつのメシ一つ足すのと、こいつがうちにごちそうするんじゃ量が違うからなー


「まあ外食したと思えばえーんじゃね? 最近じゃ打ち合わせにメシ食いに行くこともないんだろ?」

「まあそうだけど」


 こいつの仕事は、もともとは時々相手の先生と打ち合わせに会うこともあったんだ。その時に食事してくることも。

 けど最近はその仕事自体が減ってるし、打ち合わせもスカイプでやってるらしい。絵に描いた様なテレワークだよなー。

 ということで良いお肉と海の幸を昼間解凍しておいて、火起こししたら焼くだけ。

 焚き火の上には翌日も食える様なシチューに決定。


「ステーキ肉を串に刺してあぶる奴やってみてー」

「好きにしろや」


 実際には小さめに切ってからやったわい。……いい肉にはアタシも気が小さいなー。


「いやーやっぱり美味しい肉ってのは何かアタマから出るねー」

「快楽物質が出るらしいぜえ」

「だよなー」


 うーん、と幸せを噛みしめた。


「ゼリーあるよー」


 これはアタシが持ってきた分だった。クーラーボックスに100パーのジュースで作ったゼリー。ミルクゼリーもある。皆にも作ったので、小さな容器かき集めて色々。

 珍しいねえ、とかーさんは見ていたけど、ねーさんは「あ、キャンプね」と何か納得してた。そしたらかーさんも「あーもうそういう季節ねえ」と言ってるあたり。


「もう五月ですねえ」

「今度はちまきも欲しいわ」


 そっちに話が流れたのはありがたかった。


「ほたてーっ! 貝ひもが歯に挟まるなあ……」

「ほいよ、フロス」

「気が利くねえ」

「ういっす」


 歯もなあ。できるだけ虫歯は作りたくないね。

 ともかく食いに食って、それからは高いテンションのまま、ひたすら喋り倒した。

 まあその後はケモノになったという次第。


 だから今気温の変化にへこたれてても当然って言えば当然だボケ。

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