第11話常識
ジリリリリリリィーー
時間を見ると8時5分だった。5分おきに鳴るスムーズ機能が働いたおかげで、起きることができたらしい。寝付きが良くなかったせいか、すごく眠い。まだベットに横たわっていたい、という欲求を無理矢理押さえつけて学校へ行く準備を始める。
昨日武装して来いと言われたが、何を持って行こうか?俺の部屋の中に役立ちそうなモノなどなかった。そもそも霊体に効く武器とかってなんなのだろうか?
もう懐中電灯でいいや。
カバンの中に懐中電灯を放り込み、出発する。
~8時45分~
学校にゆとりを持って着くことが出来た。教室に入りると意外にも富田がもう席についていた。ちなみに今日の富田のヘアスタイルは、ロン毛だ。お前の髪どうなってんだ。
「おっ!おはよう!相棒!先輩が、12時30分に部室に集合だってよ。あの化け物を蹴散らしてやろうぜ。」
ん?昼休みにいったん集まろうってことか?
「頑張ろうな。ところでなにか武器もってきたか?」
「もちろんだ!エアガンとかヘルメットとかプロテクターとか持ってきてるぜ。」
やるきがすさまじいな。俺の分まで戦ってくれ。
いつものように時間が過ぎていき、昼休みになった。
食堂のパンを買い食いし、いそいで部室へ向かう。
「お、やっときたか。相棒!もうみんな集まってるぜ。」
「おい!おせーんだよ。もっと早く来い。」
「こんにちは。今日はがんばりましょうね。私の研究の成果をあげるために。フフフフフッ。」
みんな張り切りすぎだろ。なんでもう三人とも武装してんだよ。行くとしても、学校が終わってからだろ。
「よし、お前ら行くぞ!」
いや、三人とも学校をサボる気か?どうやら俺が思っていた以上にこの人たちには、常識というものがないらしい。
「先輩。学校終わってからにしましょうよ。サボるのはよくないですって。」
「何言ってんだ。相棒。学校は昼に終わるもんだろ。」
富田がそんな馬鹿げたことを言う。冗談は髪だけにしろ。
だが理蟹先輩も間遠先輩も何言ってんだ?という目で、俺を見てくる。
俺がおかしいのか?常識がないのは、俺の方だったのか?
いや、そんなはずはない。
自分の方が正しいことを証明するために、窓から正門を覗いてみる。
もしこの時間に終わるのであれば、多くの生徒たちが正門をくぐって下校しているはずだ。まぁそんなはずはないのだが。
だが、俺のそんな期待はあっけなく終わる。
多くの生徒たちがカバンをもって下校していたのだ。部活にいそしんでいる奴らも一部いる。
「おい。変なこと言ってないではやく準備しろ。それとも、磁場の乱れで頭がやられたか?まぁ、昨日も大きな乱れがあったからな。」
俺がおかしいのかもしれない。知らないうちに乱れにやられているのだろう。なんとなく、頭が痛いのもそのせいかもしれない。
先輩に言われるがまま準備をはじめた。準備といっても、懐中電灯しかもってきてないが。
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