恥ずかしいのが好まれる?

 今回のお話は、恥をさらすようでためらいました。ですが、応援とは切っても切れない関係にありますので、避けてはとおれないと観念しました。笑い飛ばしていただけたら、とてもうれしく思います。


 合格、というわけではありませんが、応援はその内容が恥ずかしいものほど、作家さんによろこばれる確率が高くなるかもしれません。普段はお返事のない作家さんから、思いがけずコメントが届くことがあるのです。

 これまでに送ったファンレターの中で、以下のすべてに、作家さんからお返事がありました。うれしいやら恥ずかしいやら、です。内容が恥ずかしい順に並べますね。真似するとひどい後悔に苛まれるかもしれませんので、お気をつけくださいませ。



◉第一位

『あなたのファンになりました』


 ここでまた言葉にしてみて改めて思いますが、ただのファンレターですね。穴がなかったら、自分で掘って入りたくなります。そのくらい、作家さんが生み出すものを好きになった、ということで。めげずに第二位を。


◉第二位

『あなたと一緒に旅をしているようです』


 ふたつめにして、キーボードを打つ手が止まりそうです……。本当にそう感じたといえ、よくこれを言葉として伝えたものです。過去に戻れたら、「ちょっと待った」と止めに入ったかもしれません(それでも送ったと思います)。


◉第三位

『このキャラクターが好きです』


 ファン投票ならいざしらず、これははたして応援なのでしょうか。ですが、好きになったものはしかたがありませんよね。ファンレターとは一方的でよいのです。どんなに恥ずかしい言葉・思いを送ろうと、読者の勝手なのです。


◉第四位

『落語家さんのような語りですね』


 語り口が、落語家さんがひとり何役もやっているようだなあ、と感じ、その画を思い浮かべながら読みました。褒め言葉のつもりでしたが、応援コメントを送ったあと、はずれていたら相当に失礼なのでは? の不安に襲われました。

(幸い、その作家さんは落語が大好きだそうです)


◉第五位 とある作家さんの、とある作品のみ

『にゃーん。(=^x^=)』


 猫です。猫だって、気持ちをあらわしたくなります。

 このノリが許される作品でした。それでも「本当に大丈夫だろうか」と、少し迷いがありましたが、にゃーんと送ってみました。



 どんなに恥ずかしい内容でも、気持ちがこもっていれば、何の心配もありません。あなただけの気持ち・言葉を、えいっと送ってみましょう。それを受け取った作家さんは、あなたの見えないところで、うれしさのあまり身悶えしているかもしれません。


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 ◉Point

 恥ずかしいものほど、よろこばれる(かもしれない)。

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 つづく

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