「応援しない」の選択
「応援」を語るエッセイでありながらそれに反しますが、わたしはこの「応援しない」という選択を大切にしています。
応援とは、物語にふれて心が動いたときに出す、ファンレターのようなものです。ファンレターとは、読者としての気持ちが大部分を占め、『作家さんによろこんでもらえるかな?』は、ほんの少し“あってもよい”(なくてもよい)と思っています。
お話を読んでみたけれど、内容が合わず、最後まで読めない場面もあるでしょう。そんなときは、🤍も★も送らずに、途中でお話を閉じてよいのです。義理立てから送られる応援は、そこに気持ちがないことが透けて見えます。書き手の視点で言うなら、そういった応援はとてもさびしいと感じます。読み手の気持ちがどこにもないので、何も伝わってこないんですね。
もしあなたが書き手になったのなら、あらゆる応援手段に対して、読み手でいたときより、少しだけ気配りが必要です。人が持つ心理には「
ですが、返報性の原理が働く場面で、もし片方に気持ちがなく、自分のためにそれを利用するなら、こんなに悲しいことはありません。自身の作品にPVや🤍、★を求めるあまり、相手の良心につけいる言動が、書き手であれば誰にも起こりうるのです。作家さんによっては、ご自身の紹介欄に『応援はうれしく思いますが、お返しをするかはわかりません』と、お断りしているかたも見かけます。そのメッセージにふれ、わたしはよい印象を強く抱きました。かっこいい、と。
あらゆる応援は、気持ちが動いたそのときだけ送りましょう。そうするのが、読み手・書き手どちらにとっても、最良の選択なのです。
─────────────────────
◉Point
気持ちが動かなければ、応援しない。
─────────────────────
つづく
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます