第2話

 2030年7月5日

 タイムマシンが完成した。

 基地はガラパゴス諸島にある。ウミイグアナという生物が生息している。海中の岩に生えた海藻を食べる。飲んだ海水をクシャミして塩にして出す。尾が縦に平たく、左右にくねらせて泳ぐ。タイムマシンの名前は『デメニギス』と名づけられた。北太平洋の深海に住む、頭の中がスケスケの深海魚だ。透明なドームには体液が満たされている。

 2020年夏に向かう『デメニギス』を武装タイムマシン『ファルコン』サノスが襲撃。

 時空を変えられることを恐れた時の神『クロノス』によって派遣された。

 かろうじて、パイロットの空手家の北村涼は2020年に逃れるも、同乗者の柔道家、堤茉優は死亡、ボクサーの秋川謙が隠し持っていた『仁』の玉が奪われる。


 2021年、東京オリンピックは日本は散々な結果に終わった。茉優たちは2021年にタイムスリップしたが、ゾンビや鬼が東京を襲撃、命からがら『デメニギス』に逃げ帰った。

『デメニギス』は潜水艦みたいな形をしていた。


『仁』を入手した遠藤正親は、秋川をレーザー銃で殺しタイムマシンを破壊すると残る、7つの玉を求めて消え去る。


 2020年7月1日にやって来た涼は、サッカー選手の嶋田政信に遠藤の計画を伝え、鈴木剛に協力を求める。剛は難色を示すが、茉優の死を告げられ、鈴木紗季へ連絡しようとする。

 

 涼は2021年のオリンピックの1ヶ月にバイクにはねられ負傷、選手生命を失った。

 コロナが発生する直前の武漢に核を落とすなどの作戦もあったが、嶋田の友人が武漢に住んでいることから永田町を襲撃し、強制的に決行することを目論んだ。

 

 そこへ遠藤の配下が嶋田の持つ『義』の玉を狙い急襲。

 危機を察知したライフル選手の、鈴木こころが加勢し、激戦の末、敵の1人中村りえは嶋田を拉致し『ファルコン』で違う時代に発進。剛とこころがそれを追い、涼は紗季へ連絡する。


 一方、ネイサンは亡くなった堤茉優と夢の中で再会した。茉優は巨大化して、ヤマタノオロチを巴投げで倒した。ネイサンは『蘇生』の魔法を使える柔道家だった。

 救出したネイサンは、遠藤の目的を聞き二手に別れる。

 蘇った茉優は不死身になった。

「マユ、会いたかったよ?」

「私もよ」

 

 カヌー選手の天野和也、茉優、さらに六本木で合流した紗季は新たな武器を求め閑散とした歌舞伎町へ、他のメンバーは横浜中華街へ向かう。


 軽井沢で隠居生活を送っていた元東京都知事の正名進とその恋人、鈴木百合子は正名の手にする『礼』の玉を狙う遠藤の配下に襲われ窮地に陥る。

 そこに紗季、天野、茉優の3人が現われ、敵は撤退した。

「スパスじゃないか?」

 正名は天野が手にしていたショットガンを見て驚いた。

「アンタがゴタゴタを起こしてくれたおかげでこっちは大変だ」

 天野は正名に銃を向けた。

  

 紗季たちは豊洲にあるアジトへと赴く。東京オリンピックで不正を犯した人物たちのリストなどがある。

 8つの玉を手に入れるとどんな望みも叶うらしい。太陽がアスファルトを照らし、ジリジリとしていた。

 紗季は『オリンピックを開催する』という決意のもと、『智』の玉が眠るという湘南へ向かった。

 江ノ電がチンチン♪と音を鳴らし、青空の下を走っていた。


 ネイサンたちは茅ヶ崎に到着する。気候は温暖で太平洋に面しているため、関東地方に於いて夏は高温になりにくく、冬は暖かい方である。そのため東京、横浜のベッドタウンとしても人気があり市制施行以来人口は一貫して増え続けて来たが、少子化の影響で令和2年をピークに減少に転ずると予測されている。繁華街は茅ケ崎駅南北周辺が主で、昼夜問わず人の往来は多く活気がある。またマリンスポーツの盛んな地域の為、海沿いにかけてサーフショップが多い。


 遠藤はすでに『智』の玉を手に入れていた。シャーロック・ホームズや金田一一も顔負けのIQを得た。

 ネイサンらをマシンガンで一掃し、アイドルの上白石真理子を拉致した遠藤は、『忠』の玉を手に入れ、捕らえていた茉優を拷問した。

 五寸釘を足の裏に刺された茉優は絶叫した。

 真理子だけが知る『信』の玉のありかを聞き出し京都へ向かう。

 

 京都では祇園祭が催された。新選組が活躍する池田屋事件を遠藤は思い出していた。祇園囃子が聞こえる。

『信』の玉入手の条件は愛する者の魂と引き換えであり、遠藤の愛する者とは愛娘の上白石真理子であった。遠藤は若い頃、サーファーをしていたが、海の家でバイトをしてた上白石ミサキに恋をして、真理子が生まれた。🏄

 真理子は絶望のまま八坂神社の石段から落とされ死亡。遠藤は『信』の玉を手に入れる。

 仁義智忠信、5つの玉を手に入れた遠藤は雷鳴の轟くなか高笑いした。


 堤茉優たちは雹がバチバチ!降る歌舞伎町にいた。歌舞伎町は遠藤軍団によって壊滅させられていた。

 唯一生き残った女泥棒、草笛浅江の協力のもと、茉優は名刀・ムラサメを手に入れる。


 一方、江ノ島では、鈴木剛と死んだはずのネイサンが、遠藤の手下でカンフーの使い手の田中正信を撃破して嶋田を救出。鈴木剛は横須賀のどぶ板通りで遠藤を待ち伏せての奇襲を提案する。

 横須賀に到着した鈴木剛、ネイサン、嶋田政信は茉優たちと遭遇し、目的が同じであると知り団結する。

 やがて遠藤が到着し戦いが始まる。鈴木剛たちは、劣勢ながらも紗季の加勢も得て遠藤の動きを止めることに成功するが、ネイサンが真理子の死を知って激高したことで状況は逆転。ネイサンは密かに彼女を愛していた。

 鈴木剛たちは裏路地に遠藤に追い詰められ、嶋田は『孝』の玉を渡してしまう。


 江ノ島では、首長の風吹卓造)の妹、風吹米子が中村りえに襲われ、『悌』の玉を奪われる。そこに遠藤軍団が襲来、猫に変身してた忍びが応戦する中、茉優たちが飛来して戦況は好転、敵幹部3人を倒す。

 しかし、ボスの遠藤が現れヒーローたちを返り討ちにしていく。遠藤は『飛空』『雷電』『水害』『暴風』『吹雪』『封印』の魔法を使えた。


 正名は遠藤に洗脳された鈴木百合子にマシンガンを向けられ、『礼』の玉を渡す。

 ラブホテルで遠藤に落ち合った百合子は玉を奪われ麻酔銃で眠らされる。『礼』の玉には『火炎』を起こす作用があった。また、『悌』には『地震』を起こす作用がある。

 遂に全ての玉を手に入れた遠藤は、茉優の急襲で重傷を負いながらも、力を発動させ、そのままどこかへワープして消える。

 

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