第26話
※澪視点
そろそろダメかも。NGです!
火遊びはほどほどにしてくれないと。それも股ゆるゆるビッチさんに一か月もお熱になるなんて、めっ!ですね。
明るく装っていますけど、今浮気されてますしね。本当は冷静にじゃない自分も当然います。怜への愛とか嫉妬とかって考えたら我慢できますし、これは怜のためでもありますから。
ここまで人に感情を動かされるのは厄介ですね。身をもって人間の非合理さを味わえています。だから人間関係は面白い。そう共感できてとても嬉しい。後は怜。
怜は今日もいない。暇さえあれば本を開いている人がここまでいきなり外出が増えるのは不自然だ。怜はもしかして自分がアウトドア派とでも思っているのだろうか。本を買いに行くぐらいでしょ。最近バイトの数も減らしているし。
私のつけないような甘ったるい香水に、スマホをよく持ち歩くようになるし、浮気を隠す態度は認めるけど雑すぎるよ、怜。ふふ。
それにしても、存外怜を盗られている気分になるのはこう心にくるものがあります。覚悟していたつもりですが。黒板に爪を立てて鳴らされている音が常に頭の中で流れている感じです。
黒板と同様の結構削られていきます。
やり返しはしませんよ。怜を取り戻すだけでかなりダメージをでしょうから。
ビッチの案外強い打たれ強さと言い、怜の自発的行動と言い、イレギュラーが多かったので様子を見てみましたがここらが限度ですね。
怜の心の穴をを埋めてくれるような感情には出会えませんでしたか。もしかしたらあるかもしれないと可能性は感じていましたけどやっぱりそんなもんでしたか。
怜は私のものですし。
そろそろ次のアクションを起こしてみますか。
自分からほとんど投稿などの動きを見せない、SNSを開きメッセージを送信する。
明日、明後日ぐらいには動いてくれるといいんだけど。
あ、ビッチにダメージが行くかもしれない。前言撤回、多少の慰謝料は取っておかないとね、心の。
すべては怜のため。怜の心を動かすものはまだ見つかりそうもない。スマホを顎にあてて、綺麗に澪は微笑んだ。
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