エピローグ

 そして2年が経ち、あたしは大学1年になっていた。


 ほんとはマンガの専門学校に行こうか迷っていた。だけど、あたしはもっといろんな経験をしたかった。これからマンガ家を目指すにしても、だ。だから、あたしは4年制の総合大学に進学した。学力には全く問題はなかった。


 その日、あたしは学食で次回作のネーム(下描き)を描いていた。ユウトの体でデッサンした成果が出たのか、前回ようやく「もう少しで入選」に選ばれたのだ。そうなると、俄然やる気になってしまう。


 ふと、人影がネームの描かれたコピー用紙の上に差した。あたしは顔を上げ……そのまま凍り付く。


 ツーブロックの髪。線の細そうな顔立ち。


 間違いない。


 それは、ユウトだった。


「信じられない……あんた……ユウト? あたしの……イマジナリー・フレンドの……」


「お前こそ……あおいだよな? 僕の……イマジナリー・フレンドの……」


 愕然、といった表情で、ユウトが言った。

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イマジナリー・ボーイフレンド Phantom Cat @pxl12160

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