>星洸一。
生き抜いていくために必要なモノが分かるか。
スケーターを最後に氷上へと駆り立てる感情。
その名前は、プライドだ。
いいですね。プライドだけあっても独りよがりになってしまいそうですが、プライドをまるでなくしては精一杯の闘いが出来ないと思います。それはフィギュアに限らずほかの競技でもそうですし、競技のみならず、人生そのものに言えることでしょう。
>逃げた?
失敗した?
回り道をしただけだろう。
滑り続けていた奴らとは、違う闘いをしていたってことさ。
この部分も好きです。
本章では特に、そういった生きていく上での心構え的な部分や気概などを上手く描かれているように思います。
作者からの返信
サンダルウッドさん
ありがとうございます。
まさに二章の肝といえるこのエピソードにコメントをいただけて、大変嬉しいです。
「氷上のシヴァ」を貫く哲学の一つに、「滑ること=生きること」という思想があります。
彼らが氷上で展開する悩みや苦しみ、戸惑い、喜怒哀楽は全て、そのまま人生に直結するのです。
洸一を氷上に引き戻すには、滑る「喜び」では足りませんでした。
「プライド」という闘争に繋がる感情に気付いて初めて、洸一は氷上に向かうことができます。
実は彼は作中最も自尊心の強いキャラクターなのです。
(それこそ洵よりずっと。洵はプライド以前の段階です。泥臭い生存本能で氷上に縋り付いています)
今井美樹「PRIDE」、そして一条ゆかり「プライド」が浮かびました。杏さんのこちらの作品は、いい意味でとてもマンガ的だと思うのです。読み手にわかりやすく親切な描写、情景が絵になってすぐに思い浮かぶ、という点において。毎回、必ずサマになるシーンがあるところも。登場人物へのスポットライトの当て方が上手いな、って思いました✨
作者からの返信
満つるさん
コメントありがとうございます!
私は今…ですね(笑)
プライドというのは、他でもない自分自身への誓いなのかもしれません。
そうですね、マンガ的な見せ方を意識しながら書いたと思います。この小説を書くときに最も影響を受けたのが「湾岸ミッドナイト」というマンガだというのも関係あるかもしれません。
章の語り手には必ず見せ場を用意し、ポエムさながらの独白をしてもらっています。照れずにやれ!とキャラクターに、そして自分自身にも発破をかけて。