本当にチキン野郎ね!!
──将来の夢というのは、よく変わるものだ。
小学校低学年の頃、プリキュアになりたいと言ってたと思えば、今度はパティシエ。かと思えば美容師になりたいとか、アイドルになりたいとか……。んで、中学三年になった時はいきなり「なんでもいいから安定な職に就きたい」なんて一気に夢から冷めたかのようなことを言ったり──。
私、松岡舞香にもそんな時期があった。というか今の喩えは全部私の実話だから今すぐ忘れて欲しい。
でも高校生になった今、また将来の夢が変わった。絶対に揺らぐことの無いであろう、いわば目標とも言えるもの。
だから宣言しよう──私は学校の先生になる!!
科目とか分からない。たぶん体育の先生かも。あと、バレー部の顧問ができたらいいな。
──そして何より、私は生徒の心を変えられる存在になりたい。
最近の出来事が、私に強くそう思わせた。
勇気無しで根性無しのチキン野郎が、一歩踏み出して変われた瞬間。私がその手助けをする
これらが私の存在意義なんだな、って。
だから私は、チキン野郎たちを変えられる先生になろうと思う。
お節介かもしれないけれど、それで誰かの未来を明るく出来るのであれば、私は余程のことが無ければその役割を全うするのだろう。
ちなみに私の言ってたチキン野郎のルーツたちだが。正直あの花火大会で全て解決したかと思っていた。
……はずなのに。
〇
「ねぇアンタたち、ふざけてんの?」
「「……いえ」」
「じゃあデートの一つか二つはしなさいよ!」
「「……はい」」
「アンタたち二人揃って、何が『恥ずかしくてどうすればいいか分からないから相談に乗ってください』よ!! バカなの? せっかくの貴重な夏休み終わるんだよ? 分かってんの!?」
「「……すみません」」
夏休みの暑い暑いある日。私は「相談に乗って欲しい」と言ってきたダメカップル二人をまとめて家に呼んで怒鳴りつけた。
そうなることを察していた二人が、まるで先生に怒られる生徒みたく私の家の前に現れた姿は尚更腹立たしい。
「
「藤沢!?」
まずはウタ──チキン野郎のルーツ一号から喝を入れることに。何をやってんだろうか、私は……。
「恥ずかしくてどうすればいいか分かりませんって、どーいうこと?どうすればいいか、分かるよね?ね!?」
改めて思うんだけど、何この内容!?
幼稚園児か小学校低学年レベル、いやもうそれ以下じゃん!
ていうか……。
「アンタ男よね? 男気くらいあるよね?」
「あっ、あるに決まってんだろ!」
「だったらそれなりの行動を起こしなさいよ! だいたいね、アンタは女々しいのよ! 女の子なの?」
「そりゃ舞香から見たら俺は女々しい奴だよ!舞香みたいにメンタル強くないし──」
「うっさい!!!」
「ぐほぁぁぁぁ!!!!???」
「ウタくん!?」
立ち上がったウタの股間に、私は容赦なく蹴りを入れた。
私はもう、怒り心頭である。
「ま、舞香ちゃん、さすがに今のは──」
「大丈夫よ。大事な部分を破壊されて、本当に女の子になるわけじゃあるまいし」
「そういう問題じゃないと思う……」
ごめんね、
嫌だよね? 彼氏の股間を蹴る女友達って。
でも、こうでもしないと彼らが変われる見込みはないだろうから、これは一種の荒治療ということで。
「さて、次はあなたよ。美唯」
「ど、どこか蹴られるの……」
「さすがに蹴らないわよ……」
この後、蹴りは入れなかったけど、美唯にも何か説得をしようかしら。
「アンタはさ、もう少し素直になりなさいよ。やりたいことがあったら『やりたい!』って言う。やりたくないことがあったら『やりたくない!』って言う」
「……でも」
「アンタにとってのウタは、そういうことができる大切な存在なんだから」
そしたら「勇気出して頑張る!」とまでは言ってくれた。
「あっ、あの舞香ちゃん?」
「何?」
「……あの、何すればいいのか分かんないだけど……」
「は!?」
しかし何せ二人とも恋愛経験が無さすぎて、どうすればいいか分からないらしい。
「はぁ……、仕方ないわね……」
ということで私が二人のデートプランを決める、という異例事態に発展。
そして私の一方的な提案の結果、二人には水着を買いに行かせて、それからプールに行くことに決まった。
さてさて、あのカップルはいつになったら私から離れてくれるのだろうか──。
でも、こんなダメダメな二人が変わっていく様を見守れるのならば、こうやって頼られるのも悪くないかもしれない。
【あとがき】
どうもです。今日はちょっとやりすぎたなと思ってます。ウタ、ごめん!!!
さて、今日は新作情報を少しだけ。
新作の舞台が『イケメンの友人キャラ』の数年後の世界であると申したように、この作品のメインキャラが引き続き登場する予定です。
現段階では、舞香さんとウタの内定が確実です。
特に舞香さんは、次回作でかなりメインのキャラになります!!
僕ね、舞香さんみたいにガツン!って言ってくれる女の子が大好きなんですよw
登場人物の心情を動かしてくれるし、読者の皆さんの心も動かしてくれたのかな、なんて思ってます。もしそうだったら、嬉しいな〜。
次作の主人公もまた、舞香さんのお世話になるのですが……。
果たしてどんな
そこんところを、楽しみにして下さると嬉しいです!!
最後に──
「面白い!!」「すこ!!」と思った読者様にお願いです。
良ければ☆や応援、応援コメント、作品のフォローなどしていただけると嬉しいです!!
良ければ『緒方桃』をフォローしていただけると尚嬉しいです!!
みなさん何卒よろしくお願いします!!!!
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