痛み
それから群衆の間からひとりの女性が立ち上がり、ムスタファーに言いました。「痛みについてお話しください」
ムスタファーは答えました。
「あなた方が感じる痛みは、それはあなた方の理解を覆っている殻が壊れることです。
果実の中心が土の暗闇から出て太陽の光の中へと現れるためにも、その果実を覆い隠している固い殻は壊れなければならないのです。それと同じように、あなた方もまた、
もしあなた方が、日々の生活の中で起こる驚嘆すべき物事に、
そして、
多くの苦しみについて、あなた方はそれらを取捨選択できる立場にあります。
これら多くの苦しみは、それはあなた方の奥深くにいる賢明な医者が、ご自身の病める心の患部を癒すために処方した、猛烈に苦い一杯なのです。
それゆえに、あなた方ご自身の心の医者を信頼しなさい。その医者が処方してくれたよく効く薬を信じなさい。そして静かに心安らかにその苦い一杯を飲みなさい。
なぜなら、その医師の右手は、たとえ峻烈でしんどく見えたとしても、目に見えない優しいお方の右手で導かれているからです。そして医師があなた方に差し出す杯は、たとえ唇を火傷させるとしても、永遠なる
注1:底本ではšiqāʾ「不幸」「不運」だが、正しくはšitāʾ「冬」であると思われる。英語版では、当該箇所はwinterである。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます