夕陽の丘

今日も、暖かく綺麗な夕陽をハルホスは眺めています。

小さな椅子に座り、ひとり眺めます。

春風が心地よく吹いていました。


夕陽の見える丘には大きな家が建っていて、草原で子供たちが走り回って遊んでいます。

「じいじ、そろそろ戻ろう!お腹減った〜」

「そうだね、そろそろ戻ろうか」

小さな手を取って、温かな家に戻りました。

「それで、それでどうなったの?」

「死んじゃうのに、終わりは無いの?」

せがむ子供たちに、昨日の続きを聞かせます。

「ポッカリーネが居なくなっても、ずっとじいじの心の中に生きている。生きることは、探し続けることなんだ。自分の居場所を、生きる意味を、楽しいことを、辛いことを、探し続けることなんだ。点と点じゃない、連続的な生を謳歌するには、信じ続けることが大切なんだよ。」

子供たちを寝かせた後、灯りを消して日記を書きます。

もう何冊目になったか分からないノートに、ポッカリーネに話しかけます。


 "もう僕は、朝が来るのが怖くない"

 "明日も朝日が美しいと、信じている"


 この家で、'朝日の家'で、子供たちと生きる意味を探しているんだよ、と。




Fin.

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Beautiful Sky カリーナ @Carina

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