応援コメント

ただ人のために咲き、無為に散るのを待つ花に」への応援コメント


  • 編集済

    企画から来ました、失礼します。

    冒頭の葉太独自の観察眼から話に引き込まれました。
    取り方によってはいろいろな見解ができる作品ではないでしょうか。

    圧倒的な語彙に飲み込まれました。生物教師らしい見解も面白いなぁと興味深く読ませていただきました。
    しかし、30代後半の葉太が感じられなかったんですよね……彼女たちに翻弄されて時間が過ぎたのか、と考えておりました。
    うん、でも理系男子(私は理系クラスでした)って人間関係の野暮ったかったり、人間の感情を生物学的に見ようとするよな、と考えると自然かもしれません。
    いろいろと考えさせられました。
    長文、失礼しました。

    作者からの返信

    桜子が葉太の言葉に発言者の意図と異なる意味を見出したように、一つの作品には読者の数だけ物語があるのかもしれません。私の書いた作品からたくさんの物語が生まれると嬉しいです。

    かこさんのご指摘に色々と考えさせられました。私の葉太、どうしてこんなんなのかなぁ、と。
    理系男子だからなのか(ちなみに理系女子も人間関係がさっぱりしていると思います)、教員と言う職業のせいか(気持ちが若い人が多いですよね)、二人の女性に翻弄されたせいなのか(しつこいくらいに後悔しています)……。
    年齢と言うのも一筋縄ではいきませんね……。

    私も色々と考えさせていただきました。
    素敵なコメント、ありがとうございました。

  • 企画から参りました。
    豊富な語彙から、圧倒的な描写力でなぎ倒されそうになりました(笑)
    この剣のある桜子のキャラがいいですね。他を排除しても構わない、ひとりでも生きていけるそう思い込む思春期の痛さ。
    葉太の言葉で桜子は変わったのではなく、葉太の言葉をかみ砕き自分の中にとりこめたから少し丸くなったなかなと思います。
    すいません、自分で書いていてわからなくなりました……
    おもしろいおはなし、ありがとうございました。

    作者からの返信

    桜子は若くて痛々しいですね……。誰にでもこんな時期があるものです(と、私は信じています。う、頭が……!)

    言葉は受け手によって意味が変わってしまうことがあります。「頑張れ!」と言われて「おし、頑張るぞ!」となるか「こんなに頑張ってるのにまだ足りないのですね(´;ω;`)ウッ…」となるか……。発した側の意図を汲む努力は最大限するべきなのですけれど、言葉を解釈するのはやはり受け手です。葉太の言葉は桜子の中で独り歩きしていますね……。どんな言葉が誰にどんな風に響くか、解らないものです。
    そんなようなことを書こうと試みた物語でした。

    最後までお読みくださって、ありがとうございました。

  • 大丈夫! マイナスエビデンスも立派な研究成果ですからっ!!(そこ?)

    このラストも気持ちがいいです。この二人、研究室で冷ややかにずーっと話していそう。周りから見たら冷ややかなのに、絶対楽しんでますよね。

    登場人物が興味深くて面白かったです。特に最終回は桜子の調子を夢中で追ってしまいました。

    作者からの返信

    おお、流石は蜜柑桜さん、研究のことを解っていらっしゃる! とは言えやはりマイナスエビデンスは華々しい研究成果にはなり難いですからね……。桜子はむくれています。

    桜子と准教授は仲良しでしょうね、間違いなく。傍からは嫌味の応酬にしか見えないコミュニケーションになりそうですが(;^ω^)

    レビューまで下さってありがとうございました!作者は普通に期待を下回って来る人間ですが!

    桜子を気に入っていただけて良かったです。


  • 編集済

    「きらり」の時よりも、やや軽くなったのかな、というバランスでしたが、相変わらずの細やかで重みのあるスタイルで、流石だなあ、と思いました。桜子のキャラを楽しんで書いてらっしゃるなあ、というのを感じられて良かったです。

    ただ、語り手である葉太がお話の最初と最後までまったく成長も変化も無いためカタルシスが無く、さらに、ひっくるめると「葉太バーカ」とあげつらってそれを笑ってください、というような感が強くて、強みである丁寧な筆致が桜子の諦念ややるせない怒りというよりは、葉太への嫌味の要素が強く滲んでしまい、ちょっと人を選ぶのかな、と思いました。

    追記:
    いわゆる王道的な見せ方にするのであれば、桜子視点にすればヌケが良くなるのでしょうね。あるいは、群像劇のようにするか。
    葉太視点にして「置いて行かれるお話」にするのは面白いと思います(実は、私のお話もそうです)。ただ、うまく言葉にできませんが、置いて行かれすぎでキツいなあ、と感じたのです。完全に好みの話なのです。
    でも、そう感じさせること自体が、筆致のなせる業なのでしょうね。

    作者からの返信

    吉岡梅さま
    きらりの時は少し描写に偏り過ぎたので、反省しまして……。
    桜子は書いていて楽しかったです。彼女のおかげでいい感じに描写が緩みました。

    葉太は最初から最後まで全く成長がなく、どころか重荷を追加で背負い込んでむしろ後退している感すらあります。彼が成長するとしたら、重荷を全部降ろした最終話以降でしょうね。変化を嫌がった桜子が見事に成長し、変化を促した葉太には作中で変化も成長もない、というのもけっこう面白いかな、と個人的には思います。
    王道の成長物語ではなく、間違いを重ねる人間の苦悩を描く物語。確かに人を選ぶでしょうね……汗

    読んで下さってありがとうございました!

  • こんにちは、企画から参りました。
    これはまた一風違った葉桜ですね!
    話の運び方もそうですけど、密度の高い文章といいますか、きらりの光る表現が素晴らしいです。あぁ、「小説」を読んでるなぁと思うことができる、真似できない作品だと感じました。
    全体的に抑えめな物語に感じるのですが、ある意味での桜子の生き方を変えた秋田の言葉というのは、やっぱり人間は他者と関わってこそ「人間」なのだ、他者と関わってこそ人間は「熱く」生きることができるっていうメッセージを受けとりました。見当違いなら申し訳ないのですが、同じようなタイプの人間というのは、惹かれ合ってお互いを変えられるってことなのでしょうか。
    いやぁ、深い。文章力が高すぎてきっと真似できないでしょうけど、大変勉強になるお話で、とても面白かったです!

    作者からの返信

    藪坂さま

    お褒め頂いて表情が緩んでおります!

    人間というのは高度な社会性を武器として発展してきた生物であると思います。桜子のように他者と関わるのを厭う個体も、結局のところ人とつながりを持たずに生きることはできません。彼女の生き方は人類の生存戦略からは外れていて、教師としてはそれを正さなければならないのでしょう(もっとも、葉太が教師として桜子に言葉をかけたかは微妙なところですが)。

    本作から深いメッセージを受け取って下さり、作者冥利に尽きます。
    ありがとうございました。

  • こんにちは。いいの すけこです。

    豊かな表現力、圧倒的な描写。ひたすら文章レベルの高さに感服です。

    読み手の心をひっかくような作品ですね。葉太先生じゃないけど、少し苦いものが残るような。後味はいいのに苦味が残る、不思議な印象の作品です。こんな印象を持つのは私だけかな?と思わなくもないので、読んだ人ごとに様々な受け取りかたがありそうです。

    素敵な作品でした!

    作者からの返信

    いいのすけこ様、ご感想ありがとうございます。嬉しくてニヤニヤしております。

    作品を読んで何を感じるかはもちろん人それぞれなのですけれども、作者としては本作は少なくともスッキリ系の味にはならないのではないかと考えています。
    すっきりする作品というのは「負けるな、頑張れ!」と葉太が桜子に熱いエールを送り、それを正面から受け取った桜子が奮起して自分の自分らしさを周囲に認めさせ、一人弁当をしながら勝利のポーズを決めるような、抑圧を打ち破る物語だと思うのです。一方で本作は「お前の負けだよ」と葉太が桜子を諭し、桜子は「負けるが勝ち!」とメッセージを前向きに捉えて、抑圧の下でうまく立ち回るようになりました……という内容ですからね。苦みが強いのは確かだと思います。
    桜の味だったらいいな、なんて、今思いました(どんな味だろう?)。

    最後まで読んで下さってありがとうございました!

  • どうなるのかと思っていたら、こういうラストですか!!
    面白いです。たじたじ葉太とニヒル女子二人(笑)
    実は読んでいて葉太があまり好きになれずにいたのですが、オチで「ああっ、やっぱりこういう役回りだったのか」と。最後まで読むと面白さが弾けるんですが、最初から数話はややモヤモヤするかもですね。描写の上手さで引っ張られるんですけど。
    しかし安定した文章力、おっとくる比喩など、素敵です。

    作者からの返信

    葉太先生、たじたじっぷりに定評がありますね……!

    葉太は実にダメな奴で、生徒にこれっぽっちも向き合うことができていなかった……のですが、生徒が自動的に成長してしまいました。
    前半は基本的に葉太がうじうじしているだけですから、モヤモヤも溜まりますよね。桜子がもう少しおしゃべりしてくれたら前半も面白かったのでしょうけど……。

    文章で引っ張っていられたなら幸いでした!

    読んでくださり、お星さままで下さって、ありがとうございました。

  • 面白かったです~。

    これはまた斬新ですね。
    葉太の言葉を自分の解釈で捉えて、糧にする。
    どこまでも強い女。
    そして、葉太先生のヘタレっぷりも群を抜いてる(笑)
    ラストシーンの後で二人の女からいぢめられる葉太の姿が目に浮かびます。

    最後まで言葉の選び方が丁寧で素敵でした。

    作者からの返信

    言葉が曲がって伝わると大抵はマイナスの方向に事態が動くと思いますが、桜子は奇跡的にプラスに動いてくれました(捉え方自体はかなり黒いけれど)。
    実は桜子よりも葉太の方がよほどコミュ障なのでは?と作者は思っています。
    こんな葉太先生がパワフルな女性二人に挟まれたら……当然虐められますよねえ。

    最後まで読んで下さってありがとうございました。

  • いやあ。凄い。
    結局言葉って受け手側のアンテナの問題なんだなという話でした。
    発話者が単に過去の思い出をなぞっているだけでも、そこに何かを感じることができれば人は変わるんですね。

    これだけ強烈な桜子なのに、妙に存在感が薄い。
    ラストシーンのために葉太と彼女の話になってる印象です。

    作者からの返信

    言葉というのは発信者の意図通りに伝わるとは限らないのですよね……。そこが面白くて、怖いところです。

    桜子の存在感を「彼女」に食われてしまったのは、さもありなん……なにしろ、葉太はずっと桜子と「彼女」を重ね続けていたのですから。身も蓋もなく言えば、これは葉太が桜子を通じて「(自分の中の)彼女」に語りかける物語です。

    こんな教師のこんな言葉で桜子はちゃんと変わったわけです。まさしく言葉は受け手のアンテナ次第、なのでした。

    コメントとお星さまをありがとうございました!
    本作のメッセージをビシ!と示していただけて、とても嬉しかったです。


  • 編集済

    物語には作者が伝えたいものがあるのかもしれない。しかし、読者が何を思い何を感じるのかまでは作者にはわからない。ですよね?
    私は私なりの解釈でこの物語を読ませて頂きました。その私の解釈は、たとえふづき様が違うと言っても、私の中では正しい事だと思っておきます。

    桜子は、桜の花が無駄なものだとは思いたくなかったのではないかなぁ、と。確かに生殖器官はなく、約二週間咲いて散るだけのものでしかないけれども、桜を形作るのに必要なものだと思っていた。
    桜子のどこまでが本当でどこまでが作られたものなのかはわかりません。うまく立ち回った桜子も、作られた桜子だったのでしょう。そのすべてが桜子であり、どんな形であっても桜は桜であるのではないでしょうか?
    必要であっても必要でなくても。
    なんて、桜子のセリフから考えてしまいましたとさ(笑

    >「花に特異的に存在していたので、当然花の形成に関わっていると思ったのですが、これがどうも違うようで……。仮説が外れてしまったので、修士論文は酷いものでした」

    この仮説は、桜子の願望なのではないかなぁ……

    作者からの返信

    作品は世に出した時点で作者の手を離れるそうです。読み手の数だけ物語があるのでしょうね……。

    えーきち様の解釈に作者も同意します。

    世の中には様々なものの見方があって、同じ現象でも観測者側の事情で違うものになってしまったりします。そうした考えをこの物語に込めて、えーきち様が見事にキャッチして下さって嬉しく思います。

    「この因子、花だけにあるし花を咲かせるためのものなんぢゃ?」
    「残念、ハズレー!」
    研究って、割とこんなもんです…(・_・;
    桜子は今後も「意味ありげに存在するのに何をしてるか分からない物質」に振り回されることでしょう。
    桜子、頑張れ……!

    この物語に深く付き合って下さってありがとうございます。星とレビューも!ありがとうございました。

  • いい! いいなあ! 胸のすくラストだ!
    完璧すぎて恐れ多いが、言葉足らずでひどい感想を垂れた自覚はある。
    どうして、この非凡さを隠して平凡に始まったのか!?
    その意図は深淵すぎてつかめない!
    だれかに迎合するためか?
    あらすじどおりにやればいいんでしょと思ったのか?
    はみ出すのを嫌ったのか?
    はみ出していいのに!
    テーマ以外のものはそぎ落としてよろしい!
    たいくつさせないで! 
    あなたの魅力に気づかせて!
    エンターテイナーなんだからさ!
    おめでとう! 完結!

    作者からの返信

    満足いただけて嬉しいです。
    深淵なる作者の意図は……単に好き勝手に描いただけなのです!
    しかしはみ出すのにビビッてしまうのは確かです。はみ出すのが平気な性格だったら、私は桜子みたいな青春を送ったでしょうに(駄目じゃん)……。

    激励のお言葉、ありがとうございます!

  • いいですね、純文葉桜。厚みのある描写は変わらず、だけどきらりの時のようなとっつきにくさがなくなって、スルっと物語に入っていけるように感じました。

    ニヒルな桜子とタジタジ葉太。さらに『彼女』との再会。この先の想像が広がって楽しいです。

    って、ペンギン葉桜! ふづきさん、やる気まんまん(笑)楽しみにしてます( * ´ ꒳ ` )♡︎


    あ、ちなみに、1話目の『ご入学』の『ご』は、わたしもすこし違和感がありました。あのセリフだと入学でよいかなぁ……と。

    作者からの返信

    きらりは少し尖りすぎましたからね……。固くなった描写を湯沸かし三分で戻してみました!

    「ご」問題がさらに拡大している……!消火に走ります。

    ペンギン葉桜……やるとは言いましたが、出来るかな(・_・;
    と、とりあえずチャレンジはしております。ゆあんさんに首を絞められても仕方がないものになりそうな……。

    最後までお付き合い下さり、ありがとうございました。


  • 編集済

    ああ、面白かったです。
    最後まで「彼女」を匿名で引っ張ったのが効いてますね。
    最後の最後に現れた「彼女」と葉太のその後、知りたくなります。
    ちょっと公園に「彼女」が現れたのは都合良すぎる気もするのですが。このタイミングで偶然に現れるなら、それまでの十年間で顔を合わせる機会があっても良さそうなもんかなという気もしました。

    いずれにしてもふづきさんの葉桜相変わらず見事な筆致でした。

    ついでですのでペンギン葉桜も一本お願いします!

    追記
    今気が付きました。ぴったり10000字なんですね。お見事!

    作者からの返信

    最後まで読んで下さってありがとうございます。
    「彼女」が公園に現れたのは、きっとあれです、桜子が花見スポットとして公園を紹介したのでしょう、多分!(←後付け)

    ぺ、ペンギン葉桜……!響きだけで完全にコメディ! む、難しいですが、一応チャレンジしてみます。

    文字数に気付いていただけて嬉しいです。8396文字なら、もっと美しかったのだけどなあ、と思いつつ……。