中等部篇 あおい12歳の初入院
重なるくちびる? 告白されちゃう時間 1
「ん・・・んんっ・・・んふぅぅん・・・
くっ・・・くぅぅん・・・せんせぇ・・・イイ・・・
ん?・・・ま、待って!・・・
それは駄目っ・・・まだ早すぎるよぉ・・・
せんせい・・・わたし12歳なのに・・・
わたしまだ小学六年生なんだよ?
ダメだよぉ・・・こんなことしちゃ・・・
ぜったい駄目なんだからぁ!」
入院中の女子小学生と、その憧れのお兄ちゃん
彼は見舞いに来た、一回り歳上でも、幼馴染みの担任教師。
最初は入院で遅れている勉強を教えて貰っていたのだけれど
でも、いつしか甘い展開になり、互いに見つめ合う瞳。
そして互いにナチュラルに引き寄せられて・・・
スローモーションで重なる、ふたりのくちびる。
先生の手は
やがてパジャマの中に潜り込んで
ふくらんでもいない
その水平線な胸を優しく撫でる。
しばらくすると、自然に漏れちゃう、女児の吐息。
でも先生の手は
女児の予想範囲を越えて
女の子の大切な大切な
絶対領域にチカヅイテクル。
大好きな憧れのお兄ちゃんと、今わたしはついに一線を・・・
いつかは、と期待はしていて
全くイヤじゃなく、お兄ちゃんと越えたいハードル。
『これでお兄ちゃんは、わたしのカレシ
わたしはやっとお兄ちゃんのカノジョに・・・』
でも
先生の手が
最後の一枚に触れた瞬間
初めてゆえに怖くて
拒もうとしてしまう女児。
女の子のまだ幼い生存本能が
最近、初潮を迎えて芽生えたばかりでも
まだ開いてない、つぼみ状態の
生殖本能をセーブしてしまい
揺れる女児の心。
『わたし、はじめてだから怖い・・・
大好きなお兄ちゃんになら
わたしはあげちゃってもいいのに・・・』
そんなとき招かれざるお邪魔者
女児に初恋の男の子が
病室の引き戸をノックする。
その音で
はだかの胸を隠そうと
慌てて布団に潜り込む女児
慌てて飛び退いて
椅子に座ってしまう先生。
『なんでよ!。
ここまで焦らしまくっておいて何なのよ!💢
エッチしてして詐欺なわけ?💢💢
この作者、すっごくムカつくぅ!キーッ!💢💢💢
まだ次の号、発売日遠いし!イライラしちゃうっ!』
そんな時、リアルに怪我して入院中のあおいの、病室の引き戸の磨りガラスに、あおいはまだ全く気づいてないが小柄な人影が写る。
それを廊下側から見ている人には、その病室が個室ゆえなのか彼が微妙な年頃の躊躇いなのか、引き戸にノックし中の少女に声を掛けるのを、まだ少し躊躇しているように見えただろう。
彼はあおいのお家の正面向かい隣に住む、あおいと同い年の長い付き合いの幼馴染み。あおいの通う黒百合女学院中等部と同系列だった、黒川学院中学校に通う、青井剛くんだ。
ドアの前に立ちノックしようと腕を伸ばすが、すぐに廊下の窓から外を見たり頭をポリポリ掻いたり、天に祈るかのように天井を見つめたり。
しかし彼は決意したようだ。深呼吸をして、ついに戸を叩く。そして中の少女に話し掛ける。
彼の声質は彼がもしアニメキャラの声優ならば、イケメンなダンディ役である。顔は・・・ややイケメンだ。
「なあ、あおい。俺だよ。入っていいか?」
その病室のベッドでは、あおいが背中がビクっとしたかのように、いや事実ビックリして慌てふためいていて。
あおいはベッドのお布団の中で大慌てで、脱いでいた可愛らしい熊さんキャラの入ったパンツを履こうとする。・・・のではなくて、いや今のあおいはパンツやその上に履くべきパジャマのズボンを、履きたくても履けない事情があって。それでも
「駄目っ!待、待って!。いま着替えてるから」
慌てて、読んでいたコミックをベッドの枕の下に隠し、着ている浴衣タイプの病室着の紐を一度ゆるめて裸の肩の肌を露にするかのように、わざと病室着を乱して、再びちゃんときちんと結びなおし・・・。
勿論、あおいはエッチな事などは「自分で自分に」を含めても、今さっきも今までも一度もエッチな意味と目的ではしたことがない。さらに、あおいは実の姉がエロ同人作者でもここまでエッチなコミックを読んだのは、生まれて初めてで。
表紙のメインキャラの女の子の可愛らしさ、そしてその面白そうなタイトルに釣られて白柳神奈センパイに借りたものの、三歩進んでも二歩退がるようなエッチなシーンになりそうなのにならない。
主人公の小学生の女の子の口から飛び出す言葉は、その幼馴染みな担任の先生を誘惑するかのようなエッチな言葉ばかりなのに、『エッチしてして詐欺かよ』と思いたくなる程、かなりのスーパー焦らしなスローモーションの展開の学園ラブストーリー。
でも自分も主人公と同じで一回り歳上の幼馴染みのお兄ちゃん、今は自分の通う中等部に隣接の高等部教師の真鍋先生に恋してるものだから、あおいにはとってもとっても共感出来ちゃって。
それで、さっきの激しめのラブシーンまで一気読みしてしまったのだ。ついつい自分の手を自分の絶対領域に近づけたくなる、そんな誘惑すら感じてしまっていた、あおい。
だから慌てているのだ。男の子っぽい性格のあおい。どちらかと言えば下ネタ歓迎な面もあるあおい。
でも自分で自分にのシーンやエッチな本を読んだりしてるシーンが、男の子それも自分が好意を持っている男の子に、見られたり知られちゃったりした日には・・・。
十二歳だから当たり前ながら処女でエッチの知識は年齢相応でも、それは恥ずかしいことかも!なんて事は、いつの間にか何となく気付いていて知っているあおいだ。
病室の扉の向こうからの見舞いの剛くんの声に病室着を整えたあおいは、わたしは一人エッチなんてしてませ~ん!なオスマシした声で
「剛くん、また来てくれたのぉ?。
わたし着替えたから、入っていいわよ!」
スーっと静かに開く引き戸。あおいの個室に入ってくる剛くん。手にはコンビニ袋らしきものがぶら下がっている。
「よお!あおい!。
お節介な俺様が来てやったぜ!
ほれ、お前の大好きなゲーム受けとれぃ!」
ポケットから小型ゲーム機を出して放り投げる剛くん。うれしそうな笑みを浮かべてキャッチするあおい。そして剛くんはコンビニ袋に手を
「桃ジュースと蜜柑ジュースどれがいい?。
それからお前の学校の茶話室販売のパンも買って来たんだ。
お前、ちびなクセに食いしん坊だろ。お腹空かしてると思ってさ。
焼きそばパンとナポリタンパンの二つあるけど、どれにする?。
あとさ、お前の大好きなチョコフレークもあるぜ」
「わぁーさすが剛くん、わかってるゥ!。
んーとねぇ、じゃあねぇ
わたしはナポリタンパンと桃ジュースにしようかな?。
チョコは剛くんと一緒に食べたいな。」
「じゃあホレ!あ、ホレ!」
と、演歌を歌うかのようなリズムで、あおいにパンとジュースを放り投げる剛くん。満面の笑みで受け取り、勢いよくパンにむしゃぶりつくあおい。それを見ながらあおいのベッド脇の椅子に腰かけて、では俺も!と焼きそばパンの包みを開け食らいつく剛くん。
そんな頃、廊下をパタパタ走るスリッパ音が、あおいの個室に届く。それにやや遅れた
「ここは学校の廊下じゃありません。病院なのよ。走らないで!」
の看護婦さんの声と共に勢いよく病室に飛び込んで来た、黒襟の赤い縦ストライプなセーラーに白いスカーフと黒いスカートの、あおいの四つ歳上の従姉の赤井青蘭は
「あおい~昨日はあんたのパン・・・」
そう言いかけたところで、あおいの病室に剛くんがいるのに気がついた。ほんとうは青蘭は
「昨日はあんたのパンツとか忘れて来てゴメンね」
と言おうとしたのだが、『あおいがパンツ履いてないのを、あおいに片恋の剛くんにわざわざ知らせる必要ないよね?』と、青蘭は気を遣い思い止まったのだ。そして
「剛くん、今日もあおいのために来てくれたのね。優しいね。
でも一年生なのに部活休んで来ちゃって大丈夫?。
黒川学院は部活熱心だから大変ね。
でも嬉しいわ。あおいを夜露死苦ね」
そう、あおいの双子の従姉、あおいと同じ黒百合女学院だが高等部の紫蘭と双葉女子高校の青蘭。二人は真面目っ子なのだけれど性格にはヤンキーが入っていて、優しく「宜しくね」と言ったつもりでも、「夜露死苦な」と他者には聞こえてしまうのだ。だから剛くんもついつい背筋を伸ばして
「はいっ!。青蘭お姉さん、僕に任せてください!」
それを青蘭は不思議そうに、抱えて来たスポーツバッグからあおいのタオルやシャンプーとかを出しながら、弟に接するみたいに優しく微笑みながら
『何で剛くんは固くなって緊張してるのかな~』
「剛くんどうしたの?。楽にしてていいのよ。
ほら、あおいも楽しそうだし、相手してあげてね」
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