第12話

「こんなに馬車は揺れるもんなのか?」

「うーん、僕も数回しか乗ってないけど道が凸凹してるからじゃないかな」

バネット総合学園に入るための入試試験の前々日に僕たちは朝早くから揺らされ今の時刻は昼過ぎになっていた。

ちゃんと道はできているけどそれでも色々なところに凸凹があってかなり馬車内が揺れてしまっている。

この馬車に僕とジンタそのほかにポップとママの4人が載っているけど校舎の2人はぐっすりと寝てしまっていた。

ママは馬車酔いがひどいと言ってたから寝ることでその感覚を紛らわそうとしている。ポップが寝ているのは毎度のことだから関係ないけど。

「王都にはもうすぐ着きますよ、バネット地区にはもう少しかかりますがね」

僕たちは外の風景特に前方を確認する。

僕たちが住んでいた場所よりもはるかに栄えているように見える都市が見えてきた。

これが王都なのかと興奮してしまう。

「バネット総合学園は壮大なお金をかけて建設されたんだろうな」

「そうだね、それができるってことは相当財力がある証拠だよね」

「できることなら仲良くしたほうがいいぜ」

「僕もそのつもりでいるよ、それにママのことはすごく大切にしていただろうし」

事情が事情なだけにもつれてしまっていることは知っているけどドットさんはママのことが大事なのだと思う。

だから誰の子供なのか詰め寄ったんだとよね。

僕の目的にはやっぱりドットさんと話をすることが大きく含まれているからそれを達成できるように頑張らなければならない。

馬車は王都の中に入って行く。

王都内に入ると人がたくさんいてどの人も高そうな服を着ている。

王都に住む人たちは一般人より金を持っているためみんなしっかりとした食事をとれているからかガタイがしっかりとしている。

僕たちは特に女性たちに目が行く。

僕たちがいた地元よりも明らかに女性たちは体が大きい。

みんな身長が大きくてすらっとしているイメージを強く持ってしまう。

「みんなお肉をいっぱい食べているに違いない」

「お肉って、僕いつも食べていたけど」

「お前は俺たちより金を持っていたからな、実際には毎日たくさんご飯を食うことができない家庭だっていっぱいあるぜ」

王都には裕福な人がたくさんいるから僕たちが住んでいるような田舎の人たちより質が高いものをたくさん口に出来るとジンタに言われ納得する。

確かに食べ物は成長にかかわるって習ったからね。

僕はこんなに格差があるのかと驚きを隠せなかった。

当たり前のように生活していたものが他人からしてみれば羨ましいものだったと強く実感する。

僕は恵まれていたのか。

気が付かなかったよ。

「それにしてもきれいな人やかっこいい人が多いね」

「俺たちも負けてないから、大丈夫だぜ!」

「そうかな、僕あまり自分がイケメンだなんて思ったことないけど」

「いやいやいや、学校で授業受けてるときとか痩せてから女子たちの目がお前に行ってたぞ」

「お客さん方、もう少しでバネット地区に到着しますよ!」

馬車の運転手さんが僕たちに聞こえるように大声を出してくれる。

その声を聴いてママはあくびを手で押さえながらぱちぱちと目を覚ます。

対照的にポップは寝たままになってしまっている。


僕はしょうがないからポップの肩を揺した。

「もう到着ブヒか、あまり離れてないブヒね」

「ポップすごい寝てたよ、もう昼過ぎどころかおやつの時間だよ!」

「そんなに寝てたブヒか、気づかなかったブヒよ」

「相変わらずポップは寝るのが好きだぜ」

僕たちは一応荷物を確認した後、馬車が止まるのを待つ。

それから少ししてから馬車は止まり、僕たちは降りた。

馬車の運転手は「試験頑張れよー」と僕たちにエールを送ってくれた。

僕もそれにこたえるように手を振った。

「これからは私が住んでいた家に行くわよ」

「それってどこにあるの、もしかしてママの実家の近くだったりして」

「そうよ、実家から少し離れた位置にある家なのよ・・・・・・・ローグが入学するまではバレたりはしないわよ」

「入学したらドットとやらが訪れてくるのは明白だブヒよ」

「そうしたらどうするの!?追い出すなんてことできないだろうし」

「その時は・・・・・・・話し合いで決着をつけるわよ」

ママ確実に目が笑ってないよ。なんかドットさんに同情してきた。

ママってこんなに頑固な人だったのか。

今まで怒らせたことなかったけど一回スイッチ入ったら絶対面倒くさいことになる。

「なんか私のことで嫌な点でもあるのかしら?」

「ないです、僕のママは世界で一番のママだなって思って」

「そうかしら、うれしいこと言ってくれるわね」

ママは上機嫌になりスキップを始めた。ジンタはひそひそと僕の耳に「今のは無理があるぜ」と一言かけてきた。

僕も結構に焦ってああなったから、不自然に見えてもしょうがない。

僕たちは1キロぐらい歩くと川が見えてきた。

「川にしてはきれいだね」

「なんか魚泳いでいるぜ、それにこんなに透明度が高いなんて」

「ふふふ、驚くのも無理ないわ、これは海の水で作った人工の川なのよ」

「これは驚いたブヒ、食べられる魚がこんな都会に沢山泳いてるなんて」

そもそも王都は内陸にあるため漁業ができない。

それを解決するために王国内にある各地方の海から人口の川を王都の中にまでつなげてある仕組みになっているとママが僕たちに説明してくれた。

利点は魚が取れるだけではなく各寮からの物を運ぶのにも便利な仕組みになっていることも高い建設費を出した理由らしい。

これ作るのにどれだけのお金を費やしたか想像できない。

「人間の王都はこんなにもいい暮らしをしているブヒな!」

「その釣り竿一体どこから出したの!?」

ポップがどこから出したかわからない釣り竿を取り出して川にかかっているアーチ状の橋から釣り糸をひょいと投げる。

ママが「おいしい魚が結構取れるのよ」とポップの近くにしゃがんでしまった。

なんでままそういうこと知っているの!?

もしかしてここ釣りスポットだったりするのかな。

「いい感じのが釣れたブヒよ!」

ポップが勢いよく釣り上げたのは赤色の魚で結構大きい。

多分鯛とかだと思うけどこんなところで釣れるなんて。

ママはポップが一匹魚を釣ったらすらっと立ち上がって橋を渡る。

僕たちもその後に続いていく。

「こんなところでうまそうな魚が取れるなんてここに住んでいる人は贅沢だぜ」

「そうブヒな、本当に人間たちはいい暮らしをしてるブヒよ」

「なんかすごい大きな門が見えてきたけど」

「そうよ、ここが貴方たちが行こうとしている学校よ」

橋を渡ってからほんの少し歩いたところに大きな門があった。

ここをくぐると一体どれぐらい大きな学園が待っているのだろうか。

「スゲー、学費滅茶苦茶とるだけあるぜ」

「そして私の実家はこの門の隣にある家だわ」

「仕事場から超近いブヒな」

門の隣に建てられた豪邸がママの実家らしい。

なんでこんな仕事場と近いのだろうか。

自分の家から数十歩で仕事場に行きつくとかめちゃめちゃ近い。

僕も仕事場から近いところに家が欲しいよね。

「いいなーこんな近くに家があって」

「俺はスイッチが入らないからちょっと離れていたほうがいいブヒ」

「ポップは仕事に通勤する間にスイッチを入れるタイプなのね」

ジンタはよだれを垂らしながらママの実家をひたすらに眺めている。

ジンタはお金が好きだからこういうのに憧れるのかな。

ママは後ろを向いて結構大きな家に指をさした。

「あそこが私の家よ」

「いやいや、実家から全く離れてないじゃん!?」

ママがさした先にある家は実家から正面にある家だった。

川を一応挟んでいるけど住んでいることまるわかりになるよね、これ。

明日にでもばれそうだけど大丈夫ですか!?

「さっきの言葉は撤回するブヒ、今日にでもばれるブヒ」

「いやこれはねーな、一瞬でばれる」

僕たちはとりあえずママの家に入った。

中はかなりきれいになっている。

しかもほこりなどが一切見当たらず、10年以上住んでない家には見えない。

すべてがきれいに整頓されているし、もしかしてだれか住んでいるのかな。

「妹とは仲がいいから家を掃除するように手紙を送ったのよ」

「それって大丈夫なの?ドットさんにばれたりとか」

「大丈夫よ、妹のリースは事情を知っている一人だから裏切ったりはしないわ」

「それは頼もしい仲間ブヒな」

「俺ついていけないから開き直ろう」

ママがハチャメチャすぎて、何がどうなってとかわからないよ。

もしかしてママが一方的に出て行ってしまったとかそういうパターンもあり得るかもしれない。

「ほかに家族で知ってる人とかいるの?」

「いるわよ、ママが知ってるわ」

「えっドットさんだけ仲間はずれじゃん・・・・・」

「だってパパだけ冷静にならないで暴れるんだもん」

「なるほど、問題はマリーさんのお父さんにあるのか、事情が滅茶苦茶簡単だぜ」

「ボルグにはなんて伝えたの?」

「家に追い出されたって伝えたわよ」

あんなに深刻そうだったのが嘘のように飛んでいったよ!

多分娘が可愛すぎてドットさん狂っちゃったんだよね。

絶対そうだよね。かわいそうに思えてきたよ。

それから荷物などを各自与えられた部屋に収納していく。

かなり一部屋が大きく色々なものが置けると思う。

例えばソファーとか。

僕自身はこんなに大きくなくてもいいのにと思えてきちゃうけど。

まだ受験に合格するどころか受けてさえいないのにポップやママがここに住むんでしょって感じを出してきて緊張する。

ポップなんか僕とジンタが固くなっていると「ここで3年間暮らす準備はできているブヒ」

と圧力をかけてくる。

あーも受験生に優しくしてほしいよ。

それから2日が経ち僕とジンタは面接会場で椅子に座っていた。

「ダメだ、遅すぎて話になんない」

「そうだね、こんなに待たされるなんて」

僕たちは最後の最後に面接を何故か受けることになってしまった。

それならまだいいけど面接を受ける部屋に入ってからかなりの時間待たされている。

だいたい面接は昼には終わると聞いてたけど午後の3時になってもまだ面接官は姿を現さない。

「ずっと座っているからケツが痛いぜ」

「確かにずっと座っているもんね」

お尻が痛くなるほど座っているので誰も来ないことをいいことにちょくちょく立ったりとかして何とか感覚を紛らわそうと努力する。

それにしても遅い。

「おしっこしたくなってきたぜー」

「僕もだよ、早く来ないかな」

ジンタはおしっこが我慢できなくなってきて貧乏ゆすりを始めた。

僕も少ししたくなってきているからもうそろそろ来てほしい。

それからもいつまでたっても来なくて僕たちのいろいろが馬鹿しそうになる。

それもそのはずもう午後の5時を回る時刻になってきているのだから。

「おしっこしてーのに・・・・・俺たち忘れられてんじゃねーか」

「僕も今帰りたい気持ちでいっぱいになってるよ」

僕とジンタはもう受かることよりもトイレに行くことのほうが頭にいっぱいになっていた。

僕たちあの心の中でもう帰るという選択肢が固まっていた。

早く帰って家でトイレしたい。

「もうやってられねーよ、帰ろうぜ」

「そうだね、僕もう入学とかよりもトイレのことで頭がいっぱいだよ」

僕たちはもう我慢の限界だと席を立ち後ろにある扉に向かって歩き出した。

これで落ちたとか言われてもどうしようもないけど生理現象には逆らえない。

「ちょっと待って、今面接官が来たわ!」

僕たちが扉に手をかけた瞬間後ろから待ったが入る。

僕たちはイライラしながら真後ろを向いた。

そこには青髪の若い女性と40代後半くらいの太った男性が立っていた。

「俺たちもう面接どうだっていいので帰ります」

「あのー僕もトイレしたいので家に帰らしてもらいます!」

僕たちは扉を開けて外に出る。

もう遅すぎるし早く家に帰ってトイレしたい。

ここのトイレを使えばいいかもしれないけど場所もわからないしそれよりもイライラしているから一刻も早くこの学園から出たいというのがあった。

トイレに行きたいしイライラするしダブルパンチだね。

「お願い待って、すぐに面接終らせるから!」

僕たちは何故だかわからないが走って逃げだす。

青髪の女性も負けじとこちらを追ってくる。

すごい足が速いけど、どうして?。

「あの女性もしかしてマリーさんの妹さんじゃないか、スゲー綺麗だぜ」

「そんなことはどうでもいいけど、なんで僕たち逃げてるんだっけ!」

「待ちなさい貴方たち、とくにその青髪!」

凄い形相でこっちを追いかけてくる。

気を抜いたら捕まってしまいそう。

ひたすら校舎の中を走っていると男子トイレらしきものを発見した。

ジンタは僕にアイコンタクトしてくる。

多分男子トイレに逃げ込むぞって意味だな。

「貴方たちずるいですよ、私が入れない男子トイレに入るなんて」

僕とジンタは素早く男子トイレの中に逃げ込んで済ますものを済ませた。

僕とジンタはとても解放されて気分になった後、どうやって逃げようか話し合う。

「どうしようか、普通にトイレから出たらあの人いそうだし」

「なら窓から出れば解決だぜ!」

そうか、ここのトイレに設置されている窓は人が通っても大丈夫くらいの大きさがあるからこれを通り抜ければ逃げられる。

ここがちょうど1階と言うこともあって怪我をする心配はない。

僕たちが窓を開けようとしていると僕の見覚えがある1つ年上の黒い肌にドレットヘアと眼鏡が特徴的な男性が入ってきた。

こちらをじっと見た後獲物を見つけたようにニヤッと口を歪める。

「よぉーーーー逃げ回っているってのはローグのことだったのか!」

「早く窓開けてくれ、早く!」

「今やってる、それに滅茶苦茶強そうなのも肌に感じ取ってるぜ!」

ジンタは急いで窓を開けようとするがこちらに素早く迫ってきて僕たちのお腹にかなり重めの拳をぶつける。

僕とジンタはあまりの痛さに悶絶してしゃがみこんでしまう。

くそオーラを出す前に攻撃をもろに食らってしまった。

「お前らあまりリース先生を困らせるんじゃねーよ」

「久しぶりに会いましたね、バレット君」

「お前とんでもなく痩せたな、まぁーそんなことはいいからとっとと面接を受けて来いよ!」

僕たちの手をバレット君が無理やり引っ張り男子トイレの外に引きずり出した。

僕は修行していたからまだ痛みが残っている状態で動けどジンタは魂が抜けたような状態になってしまっている。

なんかリースさんが勝ち誇った目でこちらを見てくる。

バレット君がいなかったら絶対勝てていたのに。

こっちまで悔しくなってきた。

「よくやってくれましたね、なんていう爽快感でしょうか!」

「脱走犯を捕まえてきたぜ、今度の課題をチャラにしてくれよ」

「それでいいならそうします、この子たちを面接室まで連れて行ってくれると助かります」

僕たちは結局逃げることができず面接室に戻されてしまった。

バレット君があまりにも雑に引きずるから体全体が痛くてしょうがない。

椅子に座りさぁこれから面接が始まるかと思えばそうではなかった。

面接官の人が家に帰ってしまったらしくまた待たされることになってしまった。

これタダ振出しに戻っただけじゃないか。

「後ろからすごい威圧が飛んでくるけど・・・・・・・ジンタまだ意識が飛んでるの!?」

少し罪悪感があるけどジンタの頬を少し痛めにビンタする。

いきなり痛みが襲ってきたことによってジンタはぱちぱちと目を覚ました。

少し頬が赤くなっている。

それから数分くらいして多分リース先生が先ほど目にした目にした青髪の男性を無理やり引きずってきた。

「これから、面接を行うわよ・・・・・・・パパいい加減にして!」

パパと言われた男性は何か覚悟を決めたようで僕たち正面にある椅子に座ってこちらをじっと見てくる。

その眼には何か後悔があるような気がする。

「青髪の君がこのグランドパピーの質問をちゃんと嘘偽りなく答えてくれたら2人とも合格にしてあげるからね」

グランドパピーとか絶対僕の事確実に孫だと思っているよね。

これはどうすればいいのか。

とりあえず素直に答えていればいいんだよね。

ジンタが小声で「俺寝るから」と言ってくる。

僕に丸ごと放り投げるつもりだな。

「マリーは元気に暮らしているかね?」

「はい、げんきにくらしていますよ」

「それは良かった、これが1番聞きたいことだが君は自分のお父さんを知っているかね!」

太ってしまった体で椅子から立ち、鼻息を荒くする。

リースさんは自分の父の行動に何かあったら止めに入ろうとしていることが察しられる。

「自分の父親のことを見たことがないのでわかりません」

「ウーム、もしかしてマリーと君だけで暮らしてるのかい」

「動物はいますけど、だいたい2人です」

「そうか・・・・・・・かわいそうなことをした」

青髪の男性はしみじみとした様子だった。

その表情から親としてママを愛していたことがわかった。

僕はどうしてママが飛び出して行ってしまったのか気になっていたことを質問することにした。

「どうして、ケンカになったの教えてくれませんか?」

「そうだな、貴族としての立場から君の父親が誰か知らなければならなかった、だからマリーに父親は誰だと聞いたんだ。しかし、名前を教えてはくれなかった。普通に考えればそれはどこの馬の骨かわからんような奴と子供を作ったと解釈できるだろう。そのため私は君に悪いが生むなと言ってしまったんだ。その頃は娘たちも大事だが自分の一族に泥を塗るまいと思っていた。今思えばなんてくだらないことを私はしてしまったのだろうか。マリーのお腹にいるのは間違いなく私の孫だったのに、あの子の息子だったのに」

ドットさんはぼとぼとあふれんばかりの涙を流す。

顎肉からとんでもない量の水が垂れている。すごい涙の量だ。

こんな滝の様な涙を見たことがない。

やっぱりママのことが好きだったんだね。

うすうすわかっていたけど。

なんかリースさんもすごい涙を同じく流しているけど大丈夫なの!?

「なぁーー寝てたからだと思うけどすごい涙流してるぜ」

ジンタはドン引きしながら気まずそうにする。

何も知らない人が見たらこの反応してもおかしくわないと思う。

僕もどうすればいいのかはっきりとわからないから。

ひとしきり泣いた後、ドットさんは椅子に座り落ち着いたように口を開いた。

「なんだかすっきりした気分だよ、あー気分爽快!」

「この人吐き出すだけ吐いて、自分だけすっきりしたような顔をしてるよ!」

「かわいい孫も見れたし、今日はいいことずくめだな!」

「なんかこのおっさん明らかに壊れてるぜ・・・・・」

好きなだけ吐きだしたドットさんは頭のねじが飛んでしまったかのように自己満足の世界に行ってしまった。

リースさんがそれを見かねて「パパしっかりして」と肩を揺らしているがこちらの世界に呼び戻すことができない。

トレイを覗けば午後5時を回ってしまっている。ママに怒られないか心配になってきた。




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