第2話
森の中めっちゃいたわ。気持ち悪いの。炊飯器くらいの緑色のカエルとか。グガグガ鳴いてましたよ。それにそのカエルを食ってるデカくてヌメヌメした粘液でカラダが覆われた黄色い蛇。口が八つに裂けてましたよ。それに一番びっくりしたのが、熊ですよ熊。とにかく大きかったな。最初大きな苔が生えまくった岩かと思ったけどな。いや見た目は普通だよ。
とりあえず、靴も履かずにサクサク森の中を歩き回り続けてみている。このカラダ緑色をしているおかげでそういった猛獣どもに今のところ見つかってはいない。お!なんか水の流れるような音が。のどが乾いてきたせいで余計に早く行きたくなる。
どうやら水の音はここら辺のようだ。徐々に木の根の盛り上がりが大きくなっている、ところを乗り越えてきてみた。素肌がないせいで苔がびっしり生えた根っこを乗り越えるのも不快感を抱かずに来れた。ん?何やら話し声が聞こえる。
「ーーーーーー」
「ーーーーーーーー」
誰だ?そっと自分の背丈ほどもある木の根から向こう側をのぞいてみた。
人間だ。あーやっぱりいるんだなー。人間は嫌やわー。えーと六人かな。男3女3。みんなしっかり鎧とか丈夫そうな服着込んでるし。しかも女子どももちゃんと露出なしで二人は身の丈ほどもの剣を背負っていて、もう一人はローブか、あの杖を持っているのを見るに魔法使いかなー。で男の方は、ガッチリとした青色のフルフェイスの鎧のやつと、胸当てだけで短剣を腰に刺したやつ。もう一人は、怪我をしたらしく上半身の鎧を脱いで赤く染まった丸太とも呼べる腕に何かぬっている。みんな腰は下ろしているが、目線は常に動かして周囲を警戒している。
奴らがいなくなるまで少し待とう。そう思い身をかがめようとした時、肩をちょんちょんと叩かれた。
「ぬわーーーー!」
反射的に振り返ってみるとそのには、そこには額に開く目以外は普通の少年と大差のないものが立っていた。少し少年(仮)の目が赤く光った気がした。すると背後で何かが倒れる音がした。振り返るとさっきの人間達が口から泡を吹きたおれている。
『貴様聞こえるか、聞こえるならうなずけ』
え?なにこれ。なんか言葉にはなっていない異音が聞こえたと思ったら、勝手に日本語に変換されてんだけど。
『うなずがなければあの人間達のようになるぞ』
怖っ、怖すぎる。とりあえずうなずけばいいんだろ。ほら、うんってな。
『よしならついてこい』
その声が聞こえた後その少年(仮)は、背を向け歩き出した。
こいつについていけばいいの。ねぇ。
『そうだ』
うわっ。また聞こえた。きもっ。
「った」
なんか少年(仮)の姿が一瞬ブレたかと思ったら鋭い衝撃が俺のデコを襲った。
『二度は言わん』
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