魔物で何が悪い

@tabaman

第1話

 近頃いやもうそんなブームもさったか。まぁとにかく魔物になっていました。まじさっきまでびっくりしすぎて発狂してたからな。魔物になっていたといったからには人間であったんだよ。つまらない人生だった。

 特質して何ができたわけもなく。隠キャにもなりきれず、クラスの中心的人物にも慣れたわけでもなかった。クラスの気の合う連中とだべり、学校が終わったら帰宅するただそれだけのことでした。休日になったら家でゴロゴロしてアニメや漫画を見た。しかし、アニメや漫画が中途半端に好きであったためにそんな趣味を人に話さずそんな話をしている友達を羨ましく思っていた。わかるでしょ。言うタイミングを逃したらもう言えないということくらい。

 そういう日常を過ごしていたある日、トラックに轢かれるわけでもなく、突然周囲に魔法陣が現れたわけでもなく気づいたら土の上に寝転がっていたのだ。

 え?どんな魔物かって?ほら、えーと。どんなだ?そうだ、腕がいつもより短く細く毛深くなっているとは、思っていたけど顔はまだ確認してなかった。

 えーと実況しなきゃ。周りはなんか草がたくさん生えてます。俺の膝くらいっていってもわからんか。まぁ30センチメートルくらいだと思ってください。定規とかで計らなくていいですよ。どうやら森の中みたいで、ここはちょうどひらけた草原みたいだ。少し歩いてみたら森と草原の境界線が見えてきた。木がかなり生えてるみたいで森の中は真っ暗で何も見えない。あーなんか蛇とかに噛まれそーだなー。

 俺以外誰もいないみたいに、静かだ。とりあえず池を探さないと。怖いなー。森の中に入るのまじで怖いなー。そういえば武器も何も持っていない。あー枝、枝でいいから落ちてないかなー。

 え?魔法?そんなんさっき試したに決まってんじゃん。出ませんでしたよ。

 よし。程よく固い枝も見つけたことだし行こう。森の中へ。

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