第2話教室内
『
『あいよ~』
俺はいつも、進にノートを貸している。
たまに勉強も教えている。
まぁ、それは進相手に限ったことではないけれど異世界へ行かずに授業に全部出ているのは俺しかいないからだ。
だから進以外の友達にも何かしらノートを貸していたりする。
『あ!いたいた。海渡、ノートありがとな。海渡のノートはホント、見やすくて解りやすいな。教え方も上手いし教師に向いてるんじゃないか?』
そう声をかけてきたのは
こいつもやたらと異世界に召喚されている。
進より数日前にこっちに戻ってきてノートを貸していた。
『俺に出来るのはお前らにノートを貸して、たまに勉強を教えてきちんと単位を取らせることくらいだからな』
ノートを返してもらい、そのまま進に手渡す。
『海渡がいてくれるから、俺らは安心して異世界行けるんだよな~。今日の昼は俺が奢るよ』
今日の昼飯は翼の奢り。大体ノートを貸したお礼は、昼飯や放課後の遊びやご飯を奢ってもらうことになっている。
『本当、いつも悪いな。学校、続けるか悩んだこともあったけどいくら異世界召喚多くても向こうの能力はこっちの世界には関係ないからな。多少の知識だけは残るけど、例え魔力が使えたり錬金術が使えたりしても戻ってきたらただの大学生なんだよなぁ。学校はきちんと卒業しろって親もうるさいしな』
そうボヤキながら俺の前に座ったのは学校一の秀才、
この三人が小学校からずっと一緒で、ずっと同じ学校に通っている友達だ。
三人共、ちょこちょこ異世界召喚されるからいつもノートを貸している。
なんなら先生達からもノートを貸して単位を取れるように協力してやってくれ、と頼まれる始末。
先生達も俺が異世界召喚されたことがないのを知っているし、補習とか追試とか面倒臭くてなるべくやりたくないようだ。
俺も成績は悪い方ではないんだけど、異世界によく行くこいつらも成績はいいんだよな。
休まず講義に全部出ている俺より成績いいのはなんでた?
『さっきも言ったけど、異世界で得た知識は割と残りやすいから授業に役立つ知識も多いんだよ』そう言うのは優翔。
昔から頭は良かったから、優翔が学校一秀才なのも納得は出来るけど…。
翼→学年二位
進→学年三位
俺→学年五位
昔は俺の方が成績は良かったのに気が付いたら異世界ばっか行ってるこの二人が成績上とか!
『海渡も異世界行った方が色んな知識増えるから更に成績上がるんじゃない?』と進。
『確かにな。嫌がってないで異世界行ってみればいいのに勿体ないなぁ』と翼は笑う。
嫌がって異世界行かない訳でもなくて、何故だか俺だけは召喚されないんだよ!
沢山、異世界行って成績も俺より上って…
俺の何が駄目なんだ?
くやしい~!!
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