俺は絶対、飛ばされたくない
咲良 真
第1話俺の名前は伊勢海渡
いきなりだけど、俺の名前は
俺はいたって普通の大学生だ。
いや、普通の大学生のはずだ。
何故なら俺の周りの奴らは…。
『お~い、海渡~!久しぶり~!』
前から友達が走って寄ってきた。同じクラスの
しばらく会わない間に日焼けして黒くなっている気がする。
『進、久しぶりだな。なんか日焼けしたか?』
『今回、飛ばされた異世界が気温高めで晴れが多い場所でさ。南国にいるみたいだったぜ』
そりゃ黒くなって帰って来るわな。
『お?進、久しぶりじゃん。どこ行ってた?』
こいつも同じクラスの奴だ。
『南国みたいに暑い場所だったよ。でも気温高いとちょっと戦うだけで、汗だくになるから大変だったぜ?だから最初はよく脱水起こして死にかけてたわ』
アハハハ…
死にかけたのに笑って話すのか。流石だな。
この辺の話は俺にはついていけない。
何故なら俺の周りの奴らはやたらと異世界に飛ばされては、妖怪やら魔獣やらと戦って退治して異世界を救って帰って来るのだ。
何十回も異世界に行っている奴もいるらしい。
そんな中、どういう訳か俺だけ一度も異世界に飛ばされたことがないのだ。
本音を言うとちょっと経験してみたい気持ちもあるが、なんの取り柄もない俺が異世界に行ったところで役に立てるとも思わないし…。
とか考えるようになったら何が何でも異世界なんかに飛ばされてやるものか!
って思うようになったんだよな。
『海渡は相変わらず異世界召喚嫌いなのかよ?良いこともあるぜ?』
『別に好きでも嫌いでもないよ。全く興味がないだけだ』
羨ましいなんて思ってないからな!
本当に思ってないからな!
異世界を見てみたいなんて…。
ちょっぴり見てみたいかもなんて絶対、口が裂けても教えないからな~!!
くそ~!!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます