1に○気。2に○気。3,4がなくて、5に○気。
単刀直入に言います。
熱意は大事です。
作品への愛はもちろん、
原作者へのリスペクトも大事です。
しかしなにより重要なのは狂気です。
「自分のしたことが、すべて自己満足でしかなく
誰かに喜ばれたとしても決して認められはしない」
という事実を飲み込みながら「本物」として綴ることは
常人では出来ません。
・・・・・・ところで、
親より先に亡くなった子供が賽の河原で石を積み、
通りすがった鬼に壊され...を繰り返す地獄がありますよね?
刑務所でも似たような刑があったと聞きますね。
穴を掘って、掘った穴を埋めて、
また穴を掘るを繰り返す。
何が言いたいかといいますと、
要するに我々が今から行おうとしているのは
ただの惨たらしいセルフ拷問だということです。
しかも作品が、世界が閉じるまで、
あの日何も出来ず無力に震えた
自分を許し、あの日の自分が納得できるだけの
作者の影を追い続けなければなりません。
もちろんそんなこと才能も根性も努力もできない
練炭焚きたいと心が病み始める前に
予め、徹底的に、自分の心を
破壊し尽くしておく必要があります。
要は自分の命、執筆活動に支障がない範囲での身体、
それ以外をすべて斬って捨てちゃって下さい。
家族も、友人も、将来も、仕事の悩みもすべて、
もちろんくだらないこだわりもゴミ箱にぶち込みましょう。
これは神に楯突く禁呪です。
ナツキ・スバルが葉っぱキメて痛覚飛ばして
腸狩りにエンドレスチャレンジするようなもんです。
…努力は痛くて、根性は苦しいものです。
だから偉業は一握りの「頑張れる」「才能のある者」
しか成すことはできないのです。
ですが貴方、好きなゲームは
何時間やっても辛くはないですよね。
そうです。じゃあ…
痛みそのものを感じないようにすれば
どんなことだってできるとは思いませんか?
心を誰かに壊されるんじゃなくて
自ら壊してしまいさえすれば。
崩れるギリギリまでアクセル
踏み込めるんじゃないですか?
…もちろんこれは簡単なことではありません。
何年も何年もゆっくりと「自分」に染ませて
なじませていかねばなりません。
要するに自分が壊れる寸前まで
自分にパワハラするわけですから
加減を誤ると鬱になったり
最悪他人に危害を加えてしまいかねません。
「なんでこんなこと自分ばっかり!」
と思うのは、追い詰められた人の常套句ですから。
(筆者は自分に無頓着になるのに1年
将来や生活に不安を抱かなくなるまで3年
家族・交友関係を捨てるのに6年かかりました)
さて、少し話が長くなりましたね。
それじゃあ以下に手順を。
やることはたった一つ、一日必ず二百回、一年間ほど
以下の文句をただただひたすら呟きまょう。
(心で思うだけでは意味がありません。
小さくてもいいので必ず、口を動かして「呟く」こと)
「自分は死んだ。ここにいる自分は作者の代わりに、
作者の歩むはずだった人生を生きる人形だ」
「怠慢は悪であり、許されざる罪だ。
あの日何もできなかったからこそ
弱い自分はこうして罰を受けねばならないのだ」
「今日一日でお前は何を為したんだ?
死ぬほど生きたかったあの人に“精一杯生きた”と
胸を張って言えるのか? お前の過ごした今日は」
1年ほど続けていれば勝手にねじが外れて
呟くことが当たり前になっていきます。
休日一日で5,6ページとか
執筆ペースもおかしなことになります。
2,3年ごろから熱意とか愛とか
剝がれてくるんで、怠惰な自己を
自覚していくことになります。
大して進みもしない筆を死に物狂いで執りながら
当てつけのように心身の整理をしましょう。
4,5年ごろから執筆が生活そのものになっていき、
インプット・アウトプット以外のすべての時間が
睡眠・食事・創作に置き換わっているはずです。
とはいえ人恋しくてたまに友人や家族に
連絡を取りたくなることもあるでしょう。
要するにまだまだ「削れる」ということですね。
人は常に、見えているものにしか
心を向けることができません。
ですから自販機で買った只のジュースが
貧しい国の人々にとってのドンペリであることに
気付きませんし、
小腹がすいて買ったコンビニの弁当と
作家が死に物狂いで書いた作品の値段が
同じことにも気づきません。
終いには、ああ。自分が怠惰に生きるその一日が
誰かがどうしようもなく焦がれていた明日ということも
その一日を死に際の自分が望むであろうことをも
気付かないふりをします。
ですが、これらのことはすべて
前述のように自分自身を最大限に
粗末に扱うことで解決してしまいます。
…たかが思い込みだと思うでしょう? いいえ。本当です。
それほどまでに、プラシーポ(思いこみ)の力は絶大なのです。
外傷なしで人を殺せるとも聞きますし
薬を服用せず病気が治ったとも言います。
ちなみに鬱になるには一日300回
のため息を一ヶ月続ければいいらしいですよ?
正確な数字は忘れましたが、
どこかの大学の教授が証明しようとして
実際に鬱になってしまったという話を聞きました。
ああそうそう、生計が苦しいのでしたら
偶然心の病気にかかって、
親や国にお世話をして貰う
というのも手かも知れませんね。
誰かを傷つけ殺すわけでもなし、
そんな恥や倫理は犬にでも食わせましょう。
・・・・・・まあ、僕はいろいろあったんで
計らずともそうなりかけてしまいましたが・・・・・・
ちなみにこの手法、若く、作品を喪ってから
日を空けていないほどより効果的でしてね。
必要なのは誰にでもある
たった一握りの狂気のカケラです。
「この作品をウソにしたくない」という
ちっぽけな勇気。それだけなんですが
加齢は人の足を鈍らせますからね。
向ける先が底の見えない絶壁とあればなおさらです。
ちなみに僕は6年前、中卒じゃまずいと
思い流石に高校は出たのですが、
今思い返すとあれは人間としては
必要不可欠の体験でしたが
「作家」としては完全に無駄でしたね・・・・・・
それほどまでになりふり構わない若さも、
そこから生み出される狂気も重要ということです。
(高校も大学も極論、書き終わってから行けばいいですし)
・・・・・・まあ、僕の場合は家庭環境が特殊だったので
人より純粋に狂うことができましたが
その代わりといわんばかりに
執筆開始後に代筆者様による出版が決定したり
しましたからね・・・・・・
どん底からどん底にたたき落とされるようなものだったので
狂気もゴリゴリ削れてしまい、総合的に言えば多分マイナスだったと思います。
なので誰に対しても胸を張って言えるんですよ。
「僕ができたんだから、貴方にできない道理はない」ってね。
以上、狂気の重要性でした。
作品に大切なのはモチベですが、
狂気は筆を運ぶ際に重要な役割を
果たしてくれます。
次回・最終回では代筆の際の注意点、
重要視するべき項目を
挙げていきます。
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