裴松之2 石碑やめろ   

裴松之はいしょうし、常々世にオリジナル石碑が

ポンポン立てられ、

しかもそれが無駄に飾り立てられ、

事実に沿っていないことを憂慮していた。

なので上表している。


「石碑を立てたい、とか

 言い出す者は検閲しましょう。


 まず申請させ、文面を審査、

 オーケーであれば、初めて許可する。


 くだらぬ石碑、虚偽の石碑を排除し、

 顕彰に値する功績のみを、

 石碑には残しおくべきなのです」


この提言により、マイ石碑はことごとくが

撤去されるのだった。




松之以世立私碑,有乖事實,上表陳之,以為「諸欲立碑者,宜悉令言上,為朝議所許,然後聽之,庶可以防遏無征,顯彰茂實」。由是普斷。


松之は世に私碑の立つるに、事實より乖れたるの有せるを以て、上表し之を陳べ、以為えらく「諸もろの碑を立てんと欲せる者、宜しく悉きに令し言上せしめ、朝議の許せる所と為らば、然る後に之を聽したるべし。庶くは以て征無きを防遏し、茂實なるを顯彰すべし」と。是の由にて普く斷たる。


(宋書64-12_政事)




おおっと桓玄かんげん一派によるメッセージを排除するための言論統制かな?(いきいきとしたツラで)


裴松之さんは相当張り切っての提言だったようで、宋書にはガッツリと提言が載せられてます。例によって長く、ムツカシイ。そしてそのクソ晦渋な文のうち、要点を取り出してくださったのが南史さん。省略されすぎやろぉ……しかしありがたい。


なお、そのくっそ長い提言はこんな感じ。


碑銘之作,以明示後昆,自非殊功異德,無以允應茲典。大者道勳光遠,世所宗推;其次節行高妙,遺烈可紀。若乃亮采登庸,績用顯著,敷化所蒞,惠訓融遠,述詠所寄,有賴鐫勒,非斯族也,則幾乎僭黷矣。俗敝僞興,華煩已久,是以孔悝之銘,行是人非;蔡邕制文,每有愧色。而自時厥後,其流彌多,預有臣吏,必爲建立,勒銘寡取信之實,刊石成虛僞之常,真假相蒙,殆使合美者不貴,但論其功費,又不可稱。不加禁裁,其敝無已。


諸欲立碑者,宜悉令言上,爲朝議所許,然後聽之。庶可以防遏無徵,顯彰茂實,使百世之下,知其不虛,則義信於仰止,道孚於來葉。




お、おう。「こんなん孔悝こうり蔡邕さいようが見たら恥じ入ってブチ切れるわ!」みたいな感じかな?

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