第266話 超仲良い
「いい匂いしてますね、先輩!」
「そうだね」
3時間くらいの勉強をした後。
お昼休憩をする事になった僕達は、ひよりさんのオムライスが出来るのを待っているところだった。
本当はひよりさんを手伝いたかったけど、「大丈夫。1人で足りるからゆっくりしてて」と言われてしまった。
「にしてもっ先輩って、ひより先輩と超仲良いですよね!もう友達以上って感じじゃないですか!?」
そんなわけで、時間を持て余した僕達はちょっとした雑談をしていた。
「そうかな……?」
「はい!もう彼氏彼女って言われても、疑わないレベルで!」
ガタン
「ひよりさんとは付き合いも長いし、友達同士ならこのくらいなんじゃないの?」
友達同士と言っても、ひよりさんは女友達みたいな感じにしか思われてなさそうだけど……
まぁでも、ひよりさんがそう思っているからこそ女友達みたいな距離感になっているのかもしれない。
女の子の友達同士って、距離がすっごく近いイメージない?あるよね?
「なるほど……
友達以上、恋人未満と言うやつですね!」
ガタン
ん?今キッチンから音が……?
ひよりさん、大丈夫かな?
「ところで話は変わりますけど、先輩って好きな人とかいるんですか?」
ガタン!
「え、ひよりさん!?
大丈夫?」
「いいから!雑談してていいから!大丈夫だから!」
食い気味のひよりさん。
本当に大丈夫か少し不安で、キッチンを覗きに行こうと思ったところで……
「先輩!どうなんですか?」
やけに真剣な目で僕をみる雪原さん。
「早く答えて!」と目で訴えかけてきている。
「好きな人は特にはいないかな……」
「気になる人も?」
「いないかな」
「そうですか……」
僕はそれだけ答えて、キッチンに繋がる扉を開けるとそこには……
「あっ……」
「失敗した」
不機嫌そうなひよりさんと、崩れたオムライス3つが目に飛び込んできた。
「さちは1番崩れたやつね」
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