第262話 ラブラブ

浜辺くんが図書館にやってくるより少し前。


図書館に珍しくやって来ていた利用者さんが何かを探しているみたいだったから後ろから声をかけてみたところ、その利用者の女の子はすぐに私から距離をとってしまいました。


(な、なんかすごく警戒されてる……

やっぱり、私みたいなぼっちが知らない人に話しかけるなんて高度な事やるべきじゃなかったんじゃ……)


しかし、そんな事を考えているうちに女の子は今度はニコニコ笑顔を浮かべると、私のことを知っていたみたいで「あの、もしかして星宮先輩ですか……?」と聞かれてしまった。


こんなキラキラオーラ全開の女の子にまで私のことが知られてるなんて「星宮先輩って、ぼっちらしいよ?」みたいな噂が学校全体に広まってそうで怖いです……


「は、はい……

えっと、何か図書館に御用ですか……?」


用というか、図書館に来てるんだから本を探しに来たってことくらいは分かっているけど、会話を繋げるためだからしょうがないよね……


「いえ、星宮先輩に用があったんです!」


「え、私にですか……?」


「はい!星宮先輩と話してみたいことがあったんです!」


話してみたいこと……?私に……?

もしかして、カツアゲとか!?

たしかこの前浜辺くんに借りたマンガに、実は不良なのに学校では猫を被っている可愛い女の子が出てくるものがありましたし、もしかしたら……


「えっと、話ってなんですか……?」


「星宮先輩って、浜辺先輩と付き合ってるんですか?」


「ほぇ?」


「だ〜か〜ら〜。先輩と付き合ってるんですかって、聞いてるんですよぉ?

星宮先輩と浜辺先輩って、いつも図書館で2人っきりで居ますし、実はラブラブやってるんじゃないですかぁ?」


「つきあっ!?らぶらぶ!?

しょ、しょんにゃことにゃいですよ!」

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