第258話 何してたのかなぁ?
「せ〜んぱいっ?これはどうすればいいんですかー?」
「あ、これはこんな風に……」
お昼頃の人が多くなるよりも前の午前10時頃。
僕は、雪原さんがどのくらい料理が出来るのかを見せてもらった上で、「もっとこうしたらいい」というアドバイスをしていた。
「こんな感じですかー?」
「うん、いいと思う」
厨房に配置されるだけあって彼女は元からかなり料理も出来ているし、飲み込みも早い。
これならすぐに僕も教育係を降りられそうだ。
そうして、雪原さんに一通りのアドバイスを終えたところで……
「さぁ〜ちぃ〜……?
その女の子とずっと何をしてたのかなぁ?」
ちょうど僕らと同じように休憩時間に入ったひよりさんが僕達のところにやってきた。
「アドバイスを──」
「せんぱいにお料理を手取り足取り教えてもらっていましたぁ〜。ひよりせんぱいは休憩ですかー?」
僕が説明しようとするのを遮って、雪原さんが説明してくれた。
でも、何故かひよりさんは少し苛立っているように見える。
「ふ〜ん?でも正直厨房はさちと真田さんで十分だし、あなたは接客の方がいいんじゃない?」
「私は厨房がやりたいんですよー。
それに、2人より3人の方が負担も減りますからね?」
「でも、私たちだってフロア2人で回してるよ?」
「私、接客苦手なんですよぉ」
笑顔でやり取りする2人。
遠目に見ればすごく仲良しにも見えるが……
(何となくわかる……
この2人、絶対仲悪い!)
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