第257話 教育係
それは文化祭の後の日曜日。
バイトに入っていた僕は厨房に顔を出すと、そこには見慣れない女の子の姿があった。
その女の子は、僕の存在に気づくと……
「あ!せんぱ〜い!」
ポスン……
僕にいきなり抱きついてきた。
そしてそのタイミングで……
「さち……
出会ったばかりの女の子に先輩特権を使ってそういうことをするのは、どうかと思うぞ……?」
「違いますから!」
「ふっ……冗談だぜ★
そういう訳で、今日からお前らと一緒に厨房を担当する
店長が紹介すると、ぺこりと「よろしくお願いします」と言って頭を下げる雪原さん。良い子そうだ。
「教育って言っても、厨房の仕事の事で夜の教育の分の給料はでないからな〜?」
「いりませんししません!」
店長はクックックと笑いながら、僕の話を聞かずに出ていってしまった。
そして、店長が出ていくと当然僕達2人だけになるわけだけど……
「えっと、いつまでくっついてるの……?」
「あ!ごめんなさい!
先輩、なんだか初めて会った気がしなくて、昔遊んでもらったお兄ちゃんに似てるんですかね?」
そう言って、雪原さんが離れてくれたところで、僕は更なる事実に気づいてしまった。
──どこかで見たことあると思ったら……
「もしかして、文化祭の時の?」
「そうです!先輩に覚えていてもらえるなんて……
私、すっごく嬉しいです♡」
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