第245話 ???

一目見た時、私は自分の目を疑った。


「あれって、はぁくん?」


長い銀髪のその子はどこからどう見ても、女の子のようにしか見えなかったのに、何故か私の知っている人と重なって見えた。


そして、その考えを裏付けるように……


『みんな、僕の事を女と思ってるよね!?』


『僕は男なのに、女の子としてしか扱って貰えません!!!』


『はっきり言います!

男に可愛いは褒め言葉じゃないです!!』


『僕は、男らしくなって見せます!』


それを聞いた瞬間、彼が『はぁくん』だってを私は確信した。

私の中の辞書での『奇跡』という言葉はこの時の為にあるのだとすら思ったくらいだった。


そして、他の出場者を見ていた中で、私は1人の女子にも注意を向けていた。


「──だから!私は必ず、振り向いてもらいます!

それで、いっぱいいっぱい構ってもらいます!!!」


その女子の名前は宝田心夏──みんなが知っている、アイドル的存在の美少女だった。


私は考えた。


──もし彼女が勝算はある?


そして出した答えは──YES



彼女が本気を出そうと、私が最後には勝つ。


それだけの自信と勝算、

──そして彼への愛が私の中にはあるのだから……

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