第243話 共通する話題

文化祭の2日目も終わろうとしていた頃。


一緒に行動していた西新くんが、飲み物を買いに行ってくれている間に私は今日までの2日間を振り返っていました。



──文化祭1日目。


浜辺くんに男女が仲良くなるにはデートが1番と言われて急遽セッティングされた文化祭デートは最初はとてもとてもぎこちないものでした。


どのくらいぎこちなかったかと言うと……


「え、えっと、よろしくね!」


「は、はい!こんな私ですがっ!どうかどうか!今日は1日よろしくお願いします!」


「そ、それで!どこに行こうか!?」


「え、えっと!!3年E組のカルタ教室なんてどうでしょうか!?」


「い、いいね!行こう行こう!」


この通り、ぎこちなさで言えば数値がカンストしているくらいにはでした。


その後も、たぴおかみるくてぃー(?)という未知の飲み物と遭遇してみたり、クレープをご馳走してもらったりしたのですが、なかなか打ち解けられないまま……


ですが、ちょうどお昼くらいでした。


休憩をしようということになったのですが、どうにもいい場所が見つからなかった時に私が「図書館で休みませんか?」と言って移動してからです。


図書館に到着してから、話は自然と交換お手紙(と、私は呼んでいます)の話になったのですが、そこからは空気がガラッと変わったように思えました。


「〜〜の時の手紙は面白かった」

「──の時の手紙は結局どういう意味だったのか」

「……の時の手紙の後はどうなったのか」


浜辺くんのお姉ちゃんさんにも教わった「共通する話題があるといい」というのを身をもって知りました。


──共通する話題……すごい!!!


そんな会話を一通りし終えた後、まだ回れてないお店ををもっと回ろうということになり私達は図書館を後にして、その後の文化祭はしっかり満喫できました。

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