｢──友達が鈍感過ぎて困っています！！｣

叫びました。ありったけ叫びました。

客席のみんなも固まっています。

｢その友達は、私がどれだけ行動を起こしてもまっっったく気持ちを察してくれません！！｣

そうです……そうなんです！

それに、葉幸くんったら最近は星宮さんと距離が近い！私にももっと構ってくださいよ！

｢しかも最近は、他の友達と一緒にいてばかりで私はとっても寂しいんです！！だから──｣

なんというか、この時の私はちょっとおかしかったんだろうなと、後から思い出しても思いました。

でも、こうやってみんなの前で宣言することで、私は気合いを入れ直す事ができたのかも知れません。

｢──だから！私は必ず、振り向いてもらいます！

それで、いっぱいいっぱい構ってもらいます！！！｣

こんなに叫んだのは初めてで、大きく肩で息をしながらステージを降りようとした時でした。

『頑張れ〜！！』

『応援してるよ〜！！！』

『ふぁいとぉ〜！！』

そんな声がいっぱいの会場から聞こえてきました。

(必ず私に振り向かせて見せますからね！)

『心の内、ありったけ叫べよコンテスト』

優勝者──宝田心夏 (402票)

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。（ログインが必要です）

新規登録で充実の読書を

マイページ: 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる; 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める; フォローしたユーザーの活動を追える
通知: 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴: 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい