第238話 宣伝効果

マーちゃんの宣伝の効果もあってかもう2時だというのにまだまだ大賑わいになっている私たち2年C組の教室内では、それはもう大変なことになっていました。


「メイドさん!笑顔をください!」


「え、えっと……こう、ですか……?」


「「きゃーー!!!」」


葉幸くんが、完全に女の子達にとってのアイドルと化しその他の女装メイドさん達はそれを時々羨ましそうに見つめながらも分担して仕事を片付けていきます。


そして私は……


「ほ、宝田さん!ひ、久しぶりだね!」


「はい、お久しぶりです。

小山くんは元気にしてましたか?」


「名前、覚えててくれたんだ……!

写真、一緒に撮ってもいいかな……?」


「はい、大丈夫ですよ」


と、このように、こちらもこちらでほぼほぼ写真撮影会と化しています。


と言っても、私以外も、2年C組の選りすぐりの可愛い女の子をメイドにしているのでみんな同じような状況です。


(つ、疲れます……)


正直、メイド服を着ている恥ずかしさが薄れるくらいにこの連続のツーショット撮影というのは疲れます。


というか……


「俺にも、笑顔ください!」


「は、はい!(ニコ)」


「ぐはっ……」


葉幸くんの方にも、何故か沢山男子の方々がいるのですが……


──まぁ、関係ないですね


女の子ならまだしも、男の子ではさすがにライバルになる事はないはずです。


(それよりも今は、星宮さんの事です)


恐らく、現時点での1番の強敵です。

それに、この前なんて……


あの時の事を思い出しながら、どうすれば葉幸くんを取り返せるかを考えていたその時でした。


「──え?」


私は、楽しそうに2人で話しながら文化祭を回っている、西新くんと星宮さんを目撃してしまうのでした……

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