第230話 出店

体育祭が終わればすぐに文化祭。


世の中の高校は、基本的にどこもそうなのだろうと思いますが、私たちの高校はと言うとその間はたったの2週間しかありません。


当然、準備などの時間もそれなりにかかる訳ですし、ほとんどのクラスが体育祭前には何をするのかを決めているのですが……


「いや!メイド喫茶で決まりだね!」


「いやいや!女装喫茶でしょ!」


私たちのクラスでは、このとおり男子と女子で大きな対立が起こっているために未だに何を出店するのか決まっていませんでした。


出店の事前申請は文化祭1週間前の今も、こんな状況になっているのにはもちろん理由があります。


それは……


「うちのクラスには、ココナッツ様がいるんだぞ!!

メイド服を着せなくてどうするんだ!」


「メイド服とかありえないから!

それにうちのクラスには眠り姫がいるのよ!?

眠り姫が女装して看板娘してるってなったら、男女関係なくみんなやって来て大繁盛でしょ!」


その言葉に女子の全員が頷きます。


葉幸くんのここ最近の人気は凄まじいものがありますし、この前の生徒会新聞の体育祭特別号の記事でその人気は更に広まりつつあります。


そのため、女子の言っていることが間違いじゃないだけに、男子も強く言い返すことが出来ません。


「うぬぬぬぬ……」と、睨み合う2人。


このままじゃいつまで経っても決まらないし、何かこの場をまとめられるいい案がないかとわたしも考えていると……


「男子も女子もメイド服きれば平等じゃね?」


どこからともなく聞こえてきた男子の声。

その案に対し、クラスのみんなは……


『その手があったか!!!!!』


こうして、2年C組の文化祭の出店はメイド喫茶に決定しました

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