第228話 アンカー
学年別リレー。
男女関係なくクラスから最も足の早い4人を選び100メートルずつ走り1位を目指すこの競技で私はアンカーを任されていました。
そして、私の隣のレーンには……
「なによ……」
「い、いえ。なんでもないです……」
私が見ていたのに気づいたのか、不愉快そうに私を睨んでくるのは美雪ちゃんと同じクラスで、私と同じくアンカーを任されている折木さんでした。
「この前は、あんたの彼氏に悪いことしたわね……」
「彼氏……?」
「学年2位の浜辺よ……
何?あんたら付き合ってるんじゃないの?」
「つ、付き合ってないですよ!」
「別に付き合ってるとかそういうのはどうでもいいけど、あいつ結構人気みたいだし好きならガンガンいったほうがいいと思うよ」
「っ……」
どうやら、障害物競走の時の葉柚さんの行動は予想以上に効果があったようです。
お陰で何も言い返せません。
「ココナッツ!」
「──っ!はい!」
広がり始めた噂をどうしようかと考えていたところで、陸上部の男子の成田くんが1位を保ったまま最後のバトンを私に届けます。
そしてそのまま──
『決着〜!!!
圧倒的な差で勝利したのは、2年C組だぁ!!!』
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