第227話 応援席

騎馬戦が終わった後、保健室でしばらく休んでいた僕は心夏が出場すると言っていたリレーが始まる時間の少し前に応援席に戻っていたのだけど……


「浜辺くん!凄かったよ騎馬戦!」


「一体何やったんだ!?

浜辺1人で大将騎馬合わせて半分くらいは落としてただろ!?」


「えっと、その……」


クラスメイト──と、言うよりも赤組のみんなに囲まれていた。


更に僕を囲んでいる人達から少し距離を置いた場所にいた男子たちは……


「うぉぉぉぉ!!!かわえぇ!!」


「あれが男子!?嘘だろ!?」


「俺、可愛いなら性別なんてどうでもいいんじゃないかと思うようになってきたぞ……」


なんて会話が聞こえてくる始末。


どうしたものかと悩んでいると……


『大変お待たせしました!

体育祭随一の人気競技、学年別リレーの準備が整いました!!


──それでは、選手入場!!!』


「お、リレーじゃねぇか!」


「ココナッツ様も出るんだってよ!」


「マジかよ!?見るっきゃねーな!!」


会場アナウンスのおかげで、みんなの注目は僕からグラウンドに向けられる。


(助かった……)


人に囲まれることの大変さを改めて認識した瞬間だった。


「とりあえず、心夏と姉さんの応援しないと」


とは言っても、

応援するのは心の中でなんだけどね……

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