第222話 よく話に出てくる「あの子」

午前中のプログラムが終了して、お昼休憩になりみんなの楽しそうな話し声がいろんな所から聞こえはじめてきた頃。


私達も、みんなで集まってご飯を食べようということになったのですが……


「それでね〜

さきちゃんったら、いつも浜辺くんって子の話ばっかりしてるのよ〜」


「あらそうなの〜?

心夏も、楽しそうに葉幸くんの事話すのよね〜」


「「あらあら、お互い同じなんですね〜

うふふふふ………」」


「葉幸くんって言うと、家の美雪もよく言ってるわね〜。なんでも、見た目がとっても可愛らしくて、女の子みたいなんですってね!」



そこでは、視線だけでバチバチと戦っている2人の女性と、状況を全く理解していないと思われる1人の女性が雑談(?)をしていました。


3人は私たちに気づくと……


「いたのね美雪〜。

今、葉幸く──」


「あら〜心夏。おかえりなさい!」


「さちちゃん!頑張ってたわね!」


私のお母さんと、星宮さんのお母さんが、それぞれの娘に抱きつきます。


「ちょっとママ!?

あついよぉ!」


「お母さん、離れて」


私と星宮さんは、それぞれ自分の母親を引き剥がそうとするもののなかなか離れません。


更にお母さんは、顔を近づけると耳元で……


『それで、葉幸くん(浜辺くん)って子はちゃんと紹介してくれるのよね?』

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