第220話 障害物競走②
『さすがは優勝候補の我らが生徒会長。
とてもはやいです』
パンを咥えて、最後の一直線。
さちくんの、いかにもやる気のなさそうな声が聞こえてきて、私は心の中でため息をつきました。
『あ、そうそう。
言い忘れていましたが、3年生には2年生の障害物に加えて、ゴール前にもう1つ障害物が用意されてます
姉さん頑張って〜』
ゆるゆるな調子の葉幸くんの応援で、なんとなく1.5倍くらい早くなった気がした私は、いっきにゴール前に到着すると、そこには机とその上に白い箱のようなものが置かれてあった。
『最後の障害物は、借り物競争です〜
箱の中にお題があるので、書かれているものをもってゴールしてくださいねー』
借り物競走かぁ……
小学生の時に、「すきなひと」と書かれていて、誰を連れていったらいいかわからず結局最下位になったトラウマがあるけど……
『好きな人』
(あのさぁ……)
『おぉっと、姉さんの動きが止まりましたー
この隙に、赤組の森先輩もおいついてきたぞ〜』
私が、誰を連れていくか考えている間に、森さんはあてがあるのか、さっさとトラックの外に出ていってしまった。
(好きな人……好きな人………ん?好きな人?)
よく考えたら、好きな人って、「異性として」とかじゃないよね……?
「よし……
そうと決まれば、即行動だね!」
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