第212話 勘違い

屋上の告白──ではなく、協力の依頼から10分。

イケメンくん改め、西新新汰にしじんあらたくんは相談の詳細について詳しく話してくれた。


話によると、西新くんは星宮さんの事が気になっているらしくその橋渡しとして、星宮さんと唯一関わりがある男子の僕にこの話を持ってきたらしい。


「そういうことだったんですね……

勘違いしてしまってたみたいでごめんなさい……」


うん、これは僕の人生の中でも最高クラスの失敗だったと思う。お墓までお持ち帰りする案件だ。


「いや、俺も勘違いさせるような言い方したから悪かったな。それで、協力の話、いいか?」


「うん。

でも……1つだけ聞いてもいいかな?」


「なんでも聞いてくれ」


「えっと……

星宮さんの、どこを好きになったの?」


これを聞いたのは、純粋に気になったことでもあったけど、他にも理由がある。

その理由というのは、彼が間違いなく心夏に1度以上告白しているという点だ。


「好きな人」というのが、 そんなに簡単に変わるものじゃないと思うからだ。


それに、こういうのも西新くんには悪いけど、どうでもいいような理由で彼がこんなことを言っているなら協力はしたくない。


「えっと……

言わないと、ダメか?」


「どうしても言いたくないならいいけど……」


「そうか……

じゃあ、ちょっと恥ずかしい話だが聞いてもらえるか?」

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