第211話 男ですから
「そのっ……
僕、男ですから……」
目の前の男子生徒、浜辺はギリギリ俺に聞こえるくらいの声で突然そんなことを言った。
「い、いや、知ってるけど?」
「し、知ってる!?知ってるのに……
も、もしかして僕、やばい人に……」
おいコラ待て待て。やばい人ってなんだ?
どう考えても状況的に俺の事言ってるよな?
「お前が男だからこそこんな事言えるんだろうが。
女になんてこんなこと言えねえよ」
「はぅっ……
そ、そんなに僕を……?」
「お、おう、そうだよ」
なんか浜辺の目がうるうるして、頬も上気して、やたら色っぽいんだけどこいつほんとに男か……?
「そ、そこまでいうなら……
ちゃんと、話は聞くよっ」
浜辺は「心は決まった!いつでも来い!」という目で真っ直ぐと俺を見つめている。
一体なんなんだこいつは……
「えーっと、じゃあ改めて──」
俺が肩に手を置くと、浜辺はピクっと体を震えさせたがその目はしっかりと俺の目を見ていた。
「──浜辺、お前に協力してもらいたい!
浜辺にしか頼めないんだ!!」
「ご、ごめんなさい!
さすがに僕もそんな趣味は……え?」
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