第207話 恋愛相談
二学期が始まって、さっそく意中の男子から「話があるんだけど放課後いいかな?」と言われ「なんだろう?告白かな?」と、舞い上がったまでは良かったものの、私以外の女の子との恋愛相談を持ち出された哀れな女の子とは私、宝田心夏の事です。
どうぞ笑ってください……
もう、私なんてダメなんです……
「心夏?だ、大丈夫?」
葉幸くんは私の顔を心配そうに覗き込んできます。
「大丈夫です。少し考え事をしていました」
まぁ、本当は考え事ではなくただただこの現実から逃げ出したいなぁと思っていただけなんですけど……
「それでどうしたらいいか、ですよね?
まず最初に聞いておきたいんですけど、葉幸くんはその女の子の事をどう思ってるんですか?」
「う〜ん……
好き、とは違うと思う」
「そ、そうですか……」
ホッと心の中で一息つきます。
まだまだ、私にだって逆転の余地は──
「でも、一緒にいると楽しいし、話もよく合うんだよね。趣味も結構合うし」
「そ、そうですか……」
わ、私だって!葉幸くんと一緒にいる時はすっごく楽しいですし!趣味が合うかはちょっと分からないですけどそれでも好きですよ!!私!!!!!
と、心の中で愛の告白を叫びながらも私は葉幸くんの目を見て、現時点で1番の案を提示してみました。
「と、とりあえず暫くは様子見でいいんじゃないでしょうか?まだ相手が本当に好意をよせているのかも分かっていないんですし変にこちらから行動する必要はないと思いますよ?」
すると、葉幸くんは少しの間考える素振りを見せたあとで上げた顔にニコッと笑顔を浮かべました。
「そうしてみる!
ありがとう心夏! 」
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