3章 二学期!イベント盛りだくさん!

第206話 3分の1

『三人寄れば文殊の知恵』


そんな言葉をみんなも1度は聞いたことがあると思う。3人で相談すれば、文殊様もびっくりの素晴らしい知恵がでてくる、みたいな意味の言葉だ。


でも、この言葉ってこんな風に言い換えられないだろうか?


『1人だけでも3分の1文殊の知恵』


まぁ何が言いたいかと言うと、大抵の問題は人間1人でも何とかなる。だって、3人寄らずとも、文殊様の3分の1の程の知恵はもっているんだからね。


そんな風な考えをもっているからか、よく姉さんからも、

「1人でかかえすぎだよぉ

もっとお姉ちゃんをたよってよね!」

と言われたりする。


まぁそんなこんなで、だいたいは1人で解決して、困った時は姉さんに相談。そういう風にして今まで生きてきたわけだけど、今回ばかりはどうしたらいいか分からない上に、姉さんを頼る訳にも行かなかった。


だから僕は──



「──って、訳なんだけど……

心夏は、どうしてらいいと思う?」


「どう、と言われましても……」


二学期最初の1日目。

人生初めての、友人への相談を決行した。


相談内容は、夏祭りの星宮さんの発言についてだ。

もちろん、星宮さんへの配慮のため、「誰」と「いつ」の部分は伏せてある。


しかし、そんな相談役の心夏はというと、なんとも複雑そうな顔をしていた。

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