第203話 射的

パシッ、という音と共に落下する景品。

私の隣では、葉柚さんとマーちゃんが唖然としていました。


「心夏ちゃん上手すぎだよ……」


獲得したのは、1冊の漫画。

これで6冊目です。


それに比べて、簪さんは……


ポス……


弾は景品の間をすり抜けて後ろのカーテンへ。


「〜〜〜っ!!」


簪さんの獲得した商品は、結局0。

私の完全勝利です!!


「次よ!!次!

葉柚さん!射的以外に、何か勝負できるものない?」


簪さんは、負けっぱなしではいられないと言う感じですが、それに対して葉柚さんは……


「ふっふっふっ……

そんなことを言われると思って、予め準備してました!」


じゃじゃーん!と、葉柚さんが取り出したのは……


「型抜き?」


「That's Right なその通り!!

低難易度の三日月から、高難易度なイカまで、いろいろあるよー!」


マーちゃんがどれにする?と差し出してきた型抜きを見て私は簪さんと目で会話。


どうやら、何を選ぶべきかはちゃんと分かっているみたいだ。


「それでは、イカで」


「じゃあ、三日月で」


「「………」」


分かってなかった。残念ながら分かってなかった。

悲しいことに、簪さんとは分かり合えないみたいだ。


「三日月なんて、できて当然ですよね?」


「イカなんて、そんな出来るわけないものわざわざ選んでなんの意味があるの?」


「「ぐぬぬぬぅぅ……」」



結局、2人で三日月を選ぶことになったもののお互い微妙な結果で終わり引き分けとなった

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