第202話 2人っきり

この場における勝利条件とは何か?


考えた時に、一番最初に思い浮かんだのはさちと2人っきりになる事だ。


しかし、それが可能かと言われるとそれはほぼ不可能と言いきれるレベルの話だった。


仮に、宝田心夏とさちと私の3人ならそれは出来たかもしれない。

でも、今はそれに加えて美雪さんともう1人オドオドしてはいるものの、しっかりとさちの隣を確保して常にくっついている星宮さんという子もいる。


ほらね?この3人を振り切って2人っきりになる事なんて不可能でしょ?



……と、思っていた時期が私にもありました



「ねぇ、なんで私、あんたと2人で祭りまわらなきゃ行けないわけ?」


「知らないですよ……」


さちと2人きりになれると思った?

残念!ライバルと2人っきりでした〜!


と、神様にバカにされている気分ですね、はい。


何故こんな状況になったかと言うと、その原因はさちと星宮さんにあった。

なんでも、人混みに酔ったらしく2人とも目をぐるぐると回して現在休憩中なのだ。


それに美雪さんが付き添う形となり、私たちは「2人は遊んできて!」と3人に背中を押され今にいたる。


「はぁ……

まぁいがみ合ってても仕方ないわよね」


「そうですね……

折角ですから、何かで遊んでいきましょう」


珍しく意見が一致し、2人で何かないかとブラブラしていると……


「は〜い!!みなさん!射的どうですか〜!?」


「豪華な景品盛りだくさんですよー!」


そこでは、何故かメイド服に身を包んだ葉柚さんと、同じ格好のハーフの金髪美少女が射的の出店で看板娘として働いていたのだ……

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