第197話 小悪魔系後輩

「そうだったんですね……」


私は、アイスクリームを2人で食べながら、私がさらわれた後の事を真田くんに教えてもらっていた。


なんでも真田くんは、いなくなったことに気づいた後でプールのスタッフさんなんかに声をかけて一緒に探してくれていたとの事でした。


まぁつまりは、真田くんが私のところに駆けつけられたのは単なるラッキーだったってことだ。


メン○スコーラに関しては、私がさらわれた時点で嫌な予感をした真田くんが、ちょうど私の分まで買ってきたコーラに元々持ってきていたメント○を入れて全力で振っておいて、もしものために用意しておいたものだったそうだ。


「だからさっき、このプールのスタッフさんが真田くんに何だか焦ったような表情で話しかけていたんですね」


「うん。あの後ちゃんとスタッフさんにもって伝えてあるから、もう探してくれてる人達にも伝わってると思う」


「そうだったんですね……

私のために、ありがとうございますっ」


「い、いや、その……

あ、当たり前のことですから!」


真っ赤になってそう答える真田くんには、さちくんとはまた違った可愛さがある。


ラブコメなんかで出てくる、先輩をからかう小悪魔系後輩の気持ちが少し理解できた気がした。


「さぁ!少し事件もありましたけどまだまだ時間はあります!たっぷりプールを満喫しちゃいましょう!」

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