第195話 ペットボトル

「……え?」


恐る恐る目を開けて、最初に映ったのはペットボトル2つを手に持ってたっている真田くんと、地面でうずくまっている大男だった。


「葉柚さん!大丈夫ですか!!」


真田くんはその手に持っていたペットボトル2本をポイッとゴミ箱に投げ入れると私の方に駆け寄ってきてくれた。


そこから、くまなく私の体を調べた真田くんは……


「葉柚様、なんて美しいんだろうか……」


「もう!そこはもっとこう……何かあるでしょ!」


「アハハハッ

冗談ですよ。葉柚さんが笑顔になってくれたみたいで何よりです」


そういって、真田くんはニカッと笑った。


「そ、そんなことより!真田くんは大丈夫!?」


「俺は大丈夫ですよ。あいつには指先1つ触れてません。メン○スコーラを顔に浴びせてやりましたよ」


「○ントスコーラ、ですか……?」


メ○トスコーラとは、炭酸飲料の中にメント○を入れて激しく振ったものの事。

つまり、真田くんはそれを、あの人目掛けて放ったという事になりますが……


大男さんは、明らかに目を抑えて悶えています。


あれ、なかなか凄い勢いで吹き出すんですよね……


撃退方法は少しもカッコイイなんて思えない。むしろ、お笑いコントみたいな倒し方だ。


なんだけど……


「ふふっ、そうなんだ……

凄く助かったよ!ありがとう、幸一郎くん!」


私はそれが、物凄く「真田くんらしくて、好きだな」と思ったのは秘密の話だ。

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