第184話 抗争

「大丈夫でしたか、姉御!」


姉さんが男達を殲滅してから数分後。

何故か現場に現れたドMブラザーズの3人は姉さんの無事を確認するなり、ニヤニヤ顔で倒した男達3人の顔に落書きしていた。


落書きされている男達は、意識こそあるものの動くことが出来ないらしく「く、屈辱……!」などと悔しそうにしながらもされるがままだった。


「姉さん、なんであの男の人達がここに?」


状況がまったく飲み込めない僕は、小声で姉さんに質問してみると簡単に状況を説明してくれた。


「えーっとね。多分、今私が倒した3人なんだけど、この人たちMS組なんだよね」


「MS組?」


全くもって聞きなれない単語に首を傾げる。


「M(メガサイズの胸が大好きな)S(ドSな性格の男達)

要するに、私の敵だよね」


「まぁそうだね……」


「それで、あのドMブラザーズはS(スモールサイズの胸が大好きな)M(ドMな性格の男達)組ってわけ」


「は、はぁ……」


「で、そのMS組とSM組の抗争が、毎年この時期に激しくなってくるわけなの」


よく分からないけど、まぁ今回はそのMS組とSM組の抗争に僕達が巻き込まれたということらしい。


しかし、僕はここで、一つの重要な可能性に気づいてしまう。


(そもそも、何故MS組はこの神社に……?)


確か姉さんは、「S1」という人を運んできた時に、「鳥居の影でなんかこそこそやってた」なんて言っていた


──もしかしなくても、MS組の人達がお賽銭ドロボウなのでは…?


僕はその疑問を明らかにするべく、MS組に質問する事にした。


「あの、MS組の皆さん、ちょっといいですか?」


『はーい?』


しかし、僕の問いかけに対して帰ってきた声は6つ。

MS組の皆さんに加えてSM組の人達までもが僕の方を見てきていた。


「あれ…?

SM組の皆さーん…?」


『はーい……ん?』


どうやら、男たちも気づいてしまったようだ。


自分達が、自分達の組の名前すらまともに把握できていない事に……

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