第183話 S1
「えっと、姉さん、それは……?」
どう見ても人間にしか見えない。
そして大人の男にしか見えないそれを、姉さんは軽々と抱えている。
「えっとね、この人鳥居の影でなんかこそこそやってたから声かけたんだけど、乙女に対して禁句をなんの躊躇いもなく言い放ったのでちょっとやっちゃった♪」
おかしい。ニコニコ笑顔でそんなことを言った姉さんの言葉の最後の「やっちゃった♪」が「殺っちゃった♪」に聞こえたのは気のせいだろうか?
「てことは、その人達は姉さんの知らない人?」
「うん、そうだ──」
「そこにいたかS1!!」
姉さんが答えを遮って突然現れたのは2人の男。
何やら姉さんの抱えている男の方を見て安心したように息をもらしている。
「どこの誰かは分からないが、S1を助けてくれたんだな?ありがとう、ひんにゅ──」
刹那、姉さんの腕から「S1」などと呼ばれた男が乱暴に投げ捨てられる。
「エスワーーーーン!!!!!!!」
「覚悟はいいな?」
姉さんの目がギロりと男2人を捉える。
(あ、この2人終わった……)
まさかこの地にいる人が、こうも無用心に禁句を口走る奴らばかりだとは思わなかった。
結果、その男2人はしっかり姉さん懇親の一撃を食らってノックダウンしたことは言うまでもない事だった
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