第181話 逆ギレ

「え、何?なんで僕達こんなのに捕まってるの?」


状況が飲み込めない。お賽銭を入れて、お参りをしようとしたところまでは覚えているものの、そのあとからの記憶があやふやになっていた。


ただ1つ分かるのは──


「こんな訳分からないネットで僕達を捕まえたのも

星宮さん泣かせたのも、アンタらが?」


自分でも分かるくらいの、明確な怒りのこもった声に少年はビクッと肩を震わせ、逆にじいさんはさらに怒った様な顔をした。


「お前らが悪いとやろうもん!ようもまぁそんなふうに逆ギレできたもんやなぁ?」


「逆ギレ?逆ギレはそっちだろ?

悪いも何も、僕達は何もやってませんよ?なのにこんなネットで捕まえて、しかも星宮さんを泣かせるとかさすがに趣味悪いと思いますよ?──クソジジイ」


この時は、僕も感情的になりすぎていたんだと思う。


だから、その人達が僕達の前にやってきた時に、僕は自分のした発言をすごく後悔した。

もっとちゃんと状況を見て、聞いてからものを言うべきだったと思った。


「言わせておけば!このクソガ──」


「おぉ〜!思ってたより、ずっと立派だね!」


「はい!大きいで──す?」


長い階段を登りきってやってきた2人──心夏と美雪の姿に、僕もじいさんも、固まって動くことが出来なくなってしまうのだった

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