第179話 おばけ
「実は僕、こういうの苦手なんだよね……」
「そうなの?私は平気だよ?」
公正なあみだくじによって決まった僕のペアの星宮さんは、意外にも余裕そうな様子で答えた。
「人は怖いのに?」
「でも、昔からおばけや幽霊よりも、1番怖いのは人だってよく言うでしょ?」
「でもさ?それが、おばけとかが怖くない理由にはならなくない?」
星宮さんが、大人しそうに見えて意外と仲良くなった人にはグイグイくる性格なのは話していて分かっていたけど、おばけは知らない人とかの部類に入るはずだから怖がるとおもっていた。
「まぁそうだけど……
おばけって同類じゃないですか?」
「同類…?」
「うん!だって、おばけ達もぼっちでしょ?
それなら同類だよ〜♪」
「あ、あぁ〜……
そういう事ね……」
星宮さんが『同類』に対するコミュニケーション能力が高いのは分かっていたけど、まさかそれがおばけにまで及ぶとは……
星宮さんはある意味での「コミュ力おばけ」を名乗るのに相応しいと思った瞬間だった。
そんな具合に、いつも通りの雑談をしながら階段を登っているといつの間にか目的の神社に辿り着いていた。
「確か、お賽銭箱の横にお守りがおいてあるんだったよね?」
「うん、そうだったと思うよ」
姉さんがこの時のためだけに用意していたお守りが、お賽銭箱のすぐ隣に置いてあるカバン置きに3つあってそれを1ペアで1つ持ち帰るというルールだったはずだ。
「あ、これですね」
「うん。じゃ、じゃあ早く戻ろう……」
「ふふっ……。本当に怖いんですね?」
そうして、僕達は無事にお守りも回収し、姉さん達の元に戻ろうとしたその時にそれは現れた。
「
喰らえ!ネットランチャー!!!」
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