第178話 あみだくしpart2
時刻は夜の8時。
そんな辺りもすっかり暗くなった時間に、僕達は姉さんに言われて玄関前の庭に集まっていた。
「よーし!みんな集まってるし、早速始めよう!」
そんな、海で遊び倒したとは思えないほど元気な声の姉さんに、僕達はそろって『何を?』と返す。
「決まってるじゃん!
肝試しだよ!肝試し!」
「あ〜僕、寝不足だしもう寝ようか──」
「さちくーん?」
逃げようとするも、残念ながら姉さんに肩をつかまれて逃走失敗。
「ここにいるのは6人なんだから、そりゃ1ペア2人になるわけだし1人抜けられると困るんだよね〜?」
怖い、姉さん怖い。
頼むからその貼り付けただけのニコニコ顔辞めて。
「分かったよ……」
やはり年上という存在は常に強いのだと実感した瞬間だった。
「よーしそれじゃあ!
さっそくペア決めしていこうと思いまーす!」
そう言って姉さんが取り出したのは、海の時と同じあみだくじだった。
「沢山印刷しておいたのでしばらくペア決めには困らないよ!」
謎にドヤ顔の姉さん。
(というか、それってペアでやるようなイベントがまだまだ控えてるって事じゃ……)
いけない。これ以上はいけない。
昔から、察しのいい人間というのは
「君のようなカンのいいガキは嫌いだよ」みたいな事を言われて痛い目に合わされるのが一般常識だ。
まぁそんな話は忘れるとして。
そういう訳で、またしても僕達はあみだくじによるペア決め行うことになったのである。
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