第177話 謝る?男たち
『すみませんでした姉御ぉ!!!!!』
先程とは打って変わって、下手の男達。
その男達が頭を下げた先にいるのは……
「謝るのは私にじゃないでしょー?
ちゃんとさちくんとか美雪ちゃん、マーちゃんに謝らないと」
そう、姉さんだ。
どうやら姉さんとこの男達、知り合いのようだ。
「本当に申し訳ございせん!!!
見た目が全てじゃない事は重々承知していますが、あの時は姉御の弟様に夢中で我を忘れていました!」
「まぁ分かってくれたならいいけど……
というか、土下座は辞めてよ!」
美雪さんをビッチ呼ばわりした男Aは砂に顔を埋め込む勢いで(というか埋まっている)土下座をしている。
「まじですみませんでした!
私が貧乳派なばかりに、巨乳のあなたを傷つけてしまったこと深くお詫びします!」
「つまり、あなたは巨乳は悪ではなく、正義だと訂正してくれるんですね?」
「いえ、それはできません」
一方男Bも、少々謎のプライドを引きずりつつも、男Aに負けない全力の土下座だ。
「姉御の弟様!知らなかったとは言え、大変な無礼をしでかした私たちに、どうか罰をお与えください!」
そして男C。彼はどうやら、罰をご所望のようだ。
そんなCの発言に、突然目を光らせたAとBは僕の前に素早く移動すると、「どうか私達にも罰を!」などと言って先程同様土下座を決行する。
「罰なんていいから……」
「でも、それじゃあ俺たちの気が収まりません!」
熱心に訴えかける男がどう見ても罰を心待ちにしてやまないように見えるのは僕だけだろうか?
「あー、お前ら。罰が欲しいんだよね?」
「はい!」
「それじゃあ──」
そんな男達に、僕が言い淀んでいると代わりに姉さんが僕の前に立って罰を告げた。
「──タイヤひきだ。タイヤを引きずって、この砂浜の端から端まで往復10周」
いや、それはいくらなんでも──
「イエス、サー!!!!!!!」
男たちは姉さんに敬礼すると、すぐに何処かへと走り去って言った。
「姉さん、あれって結局……」
「ん?あー、あれは去年の夏にここで手懐けたドMブラザーズだよ」
「へ、へぇ〜。そうなんだぁ」
うん、全く意味わからん。
でも、これ以上は踏み込んじゃいけない気がする。
あの3人の中の貧乳派の男が、姉さんの胸部を話題にしてしまって姉さんの暗黒面が覚醒。3人ともズタボロにしたものの、3人ともドMだったので逆に手懐けてしまっていた、なんて話が想像できてしまったけどきっと僕の思い過ごしだ。
この後、心夏が結局踏み込んだ質問をしてしまい、僕の想像と大体同じ話が語られてしまうのだった。
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